概要
*インスブルックの北西約20km、
高速道路が通り、イン川沿いに位置する。
*チロル州のシュヴァーツ郡Bezirk Schwazにある39の市町村の一つがシュヴァーツ Schwaz市。
*銀・銅の採掘が全盛であった15、16世紀には、シュヴァーツはインスブルックと並んでチロルで最も人口の多い町だった。
*町は皇帝やアウクスブルクのフッガ一家など当時の豪商たちの愛顧を受けて繁栄を謳歌していた。
すべて1450年から1520年の間に建てられた町の最も美しい建築物の、並外れた規模と豪華な装飾に、今も当時の繁栄ぶりをうかがうことができる。
「シュヴァーツの坑夫たちは靴底にうった銀の鋲を響かせて町を閥歩する」という民間伝承も、この全盛期に生まれたものである。
鉱山見学Schaubergwerkが可能で、坑夫の働く様子が再現されている。

データ
人口:12000
標高:538m


アクセス
鉄道
インスブルック中央駅からザルツブルグ方面行きで約20分、地域急行REXで20分。1時間ごと。
-バス
インスブルック中央駅前のバスターミナルから約1時間。

見どころ
教区教会 Pfarrkirche 
飾り気のないファサードの切妻屋根の教会で、1912年、網目ボールト天井とともに当初の後期ゴシック様式で再建されている。
巨大な屋根は、1万5000枚の鋼板で葺かれている。
4つの身廊と2つの内陣を持つ教会の南身廊は、鉱山労働者組合専用であったことが、墓碑のいくつかによってわかる。
内装では、1522年完成のパイプオルガンの2階席を囲む精緻なトレサリー装飾の胸壁と、バロック様式の壮麗なパイプオルガンケース(1730年)がある。

ブランチエスコ会教会 Franxiskanerkirche 
三つの身廊を持つ後期ゴシック様式のホール式教会で、フランチェスコ会の厳しい建築規則に従って建てられ、1515年に完成た。
1736年にバロック化されたが、もとの建築がもつ細部まで均整のとれた明確な構造を変えることはなかった。
回廊 Kreuzgangに富裕な市民や各種の職人ギルドや鉱夫組合などが、紋章を張り付け、その名を残している。
皇帝マクシミーリアンは、彼の世襲領地の紋章で示されている。

周辺の見どころ
トラッツベルク城 Schloss Tratzberg 
シュヴァーツからシュタンスStans方面に5km。
イン川左岸を見下ろす急斜面の中腹にたつこの城は、しばらくの間、城はシュヴァーツの町とジルバーベルク(銀山)Silberbergにおける商売で巨富を得た、アウクスブルクの豪商フッガ一家の所有となっっていた。
150年前からはエンツェンベルク伯Grafen Enzenbergの所有となっている。
内部には46mも続く壁画(1508年頃)があり、皇帝マクシミーリアンの148人の先祖が系譜の形で描かれている。