概要

*チロル州の人気の観光エリアの一つ。
*南北60kmにわたり、インタール(イン渓谷)からイタリアとの国境まで達している。
とりわけ人気のあるリゾート地としては、マイアホープェンMayrhofenから先で渓谷は四つの狭い谷:
トゥクサー渓谷Tuxertal、
ツェム渓谷Zemmtal、
シュテイルップ谷Stilluppgrund、
ツィラー谷Zillergrund)
に分かれ、さらにこれらの谷は南側でツイラー渓谷アルプスの巨大な連山に遮られている。
*大きな氷河がほぼ40km以上にも及んでいるこの山脈の中では、特に
ホーホファイラーHochfeller(3510m)
グローサー・メーゼラーGrosser Moseler(3479m)
が抜きんでている。^
*20世紀になるとツェム渓谷、シュテイルツプ谷、ツイラー谷、および隣のゲルロース渓谷Gerlostalに水力発電のためのダムと貯水湖が建設された。
*併せて、スキーリゾート開発も進んでいった。
起伏が激しいため、まとまったスキー場は整備されていないが、10以上のスキー場がある。
トゥクサー氷河Tuxer Gletscher、マイアホーフェン・フィンケンペルクMaVrhofen Finkenberg、ゲルロスGerlos、ツェル・アム・ツィラーなどが代表的な地域だ。
*地域一帯に有効なスキーバス(4日間以上)もあり、各地域間はバス連絡がある。

ツェル・アム・ツイラー Zell am Ziller 
標高575m。
人口4000。
ツィラー渓谷の中心的地域。
町の中央に立つ教会は1782年に建てられたもので、頂塔のついた円屋根があり、平面が八角形をしている。
5月になると谷の全住民が伝統的な「ガウダー祭りGauderfest」のためツェルに集まる。
行列や村の牧草地で行うレスリンク、アルコール28%のゾンタープロイスSonderbraus(ガウダービール)で祝う祭り。
カ一ルシュビッツェKarspitzeとクロイツヨッホKreuzjochの山腹に延長45kmのスキーコース、20基のリフトが装備された家族向けスキー場がある。

マイアホーフェン(Mayrhofen)
標高630m。
人口4000。
ツェル・アム・ツィラーから谷に向かって7kmの地点にある。
ウインタースポーツの施設が充実していて、宿泊施設の受け入れも多くできるため、町には多くの人が集まり商店もたくさんあるにぎやかなところだ。
スキーは主に標高2250mのペンケンPenken(コース延長76km、隣のフィンケンペルクとの間にバス連絡あり)、およびアーホルン連山Ahornmassivで行われる。
夏になると、市民大学が国際的な夏期講習を開催し、さらに活気が出てくる。
ベーター・ハーベラーPeter Habelerは、南チロル出身のラインホルト・メスナーRetnhold Messnerとともに、初めて酸素ボンベなしでエヴェレスト登頂に成功した人物だが、彼はここで登山学校を経営していた。


トゥクサータール(トゥクサー渓谷)Tuxertal
マイアホーフェンから19kmのヒンタートウクスHlntertux(150Om)はこの谷の中心となる地。
トウクサー氷河のスキー場
ツイラー渓谷では中級・上級者にはここが一番人気のスキー場で、標高差も十分あり、雪の状態もいい。
標高1500mから3250mの地点にリフト19基、コース延長86kmが整備されている。

ゲフローレネ・ヴアント Gefrorene Wand
標高3250m。
リフトを乗り継いで、最後の山頂駅からはオルベラーOlperer(3476m)のピラミッド型の頂が巨大なトゥクサー氷河の上にそびえているのが展望できる。

ラストコーゲル Rastkogel:
フィンケンペルクFinkenberg(840m)からロープウェイとリフトで標高差約700mのペンケンPenken(2095m)まで登る。
ツィラー渓谷アルプス全体が一望できる。

ツェムタール(ツェム渓谷)Zemmtal
マイアホープエンから高さ131mのシュレークアイス・ダム湖まで23km。
途中でホーホファイラーHochfeiler(3509m)が眺望できる。
道は5月から10月まで通行可。マイアホーフェン駅からバスもある。