プラハ Praha

プラハフォト

概要

かつて繁栄したボヘミア王国の首都。中世の美しい町並みを残していることから、「百塔の町」「黄金の町」「北のローマ」「ヨーロッパの魔法の都」「建築博物館の都」など多くの表現で称賛を受けている観光都市となっている。町の中心を流れるヴルタヴァ(モルダウ)川の両岸に発達した町で、カレル橋で繋がった両岸にある多くの観光ポイントは、徒歩でまわることができる。

東岸は全体に平坦な地形。旧市街は旧市街広場 Staromestske namesti を中心に多くの歴史的建造物が集まるエリア。カレル橋から旧市街広場までのカレル通り、さらにツェレトゥナー通りで火薬塔へと続いている。旧市街の東南には新市街が広がり、ナ・プシーコピェ通りからヴァーツラフ広場 Vaclavske namesti はプラハ随一の繁華街となっている。
また、旧市街の北にはユダヤ人地区がある。このエリアには、ユダヤ教徒の教会シナゴーグが数多く残されている。
小高い丘を形成している西岸には、プラハ城のあるフラッチャニ地区 Hrascany がある。
城内には数多くの見どころがあるため、余裕をもって観光したい。プラハ城の南側一帯はマラー・ストラナ(小地区)とよばれるエリア。登山電車で登れるペトシーン公園 Petrinske sady の展望台からは市街の景観を360度楽しむことができる。

なお、東岸の火薬塔と西岸のプラハ城を結ぶ通りは、かつて「王の道」と呼ばれたもので、現在は徒歩での観光・散策ルートとして利用されている。

空 港

ヴァーツラフ・ハヴェル・プラハ国際空港
Vaclav Havel Airport Prague(空港コードIATA=PRA)
旧名はルズィニエ国際空港
ターミナルは3つある。

ターミナル1=イギリス発着(出入国審査あり)
ターミナル2=EUシェンゲン加盟国の便
ターミナル3=それ以外の発着便

空港・市内間は20㎞、車で約30分。

交通機関

快速バスエアポート・エクスプレス
中央駅まで約35分、デイヴィツカー駅まで約20分、30分間隔

空港ミニバス
空港とプラハ市内を結ぶシャトルバスで、バス会社のCEDAZ社が運行。
市内の主要ホテルまで直接送迎サービスも行われている。
約20~25分、約30分間隔

市バス
119番=デイヴィツカー駅まで約24分
100番=ズリチーン駅まで約18分
179番=ノヴェー・ブトヴィツェ駅まで約45分
225番=ノヴェー・ブトヴィツェ駅まで約53分
約7分間隔

空港タクシー
到着ロビーにあるAAA RadiotaxiとAirport Carsの2社があるタクシー会社のカウンターへ。カウンターで行き先を告げるとタクシーのところへ案内される。
AAA Radiotaxiはメーター制で、Airport Carsはカウンターで料金を支払います。
所要時間:約30~50分
市内中心部まで500~600コルナくらい

鉄 道

ドイツのベルリン、ドレスデンとプラハはほぼ2時間間隔でEC特急が運行されている。
ドレスデンから2時間半~3時間。便によりプラハの発着駅が異なる。
プラハ以外の都市へ行こうとすると不便になる。
途中のローカル都市以外へはプラハ乗換えがいい。

プラハの鉄道駅

プラハの主な鉄道駅は2つある。

本駅(中央駅 Hlavní nádrazí)
最も大きな駅。 チケットオフィス、列車情報センターがある。

ホレショヴィツェ駅 (Nádrazí Holesovice)
ベルリンからの列車の大部分の発着駅、および北へ向かう列車の始発駅。

市内交通

地下鉄が3路線ある。市の中心部を通っており、観光にも使い勝手は良い。
他にトラムやバスもある。

みどころ

プラハは10区に分かれている. みどころは1区に集中

カレル橋;Karluv most

世界各地から訪れる観光客で常ににぎわっているプラハ最古の石橋。東岸の旧市街と、西岸のマラー・ストラナを結ぶ。ヴルタヴァ川の洪水により幾度も流されてしまった橋に変わり、カレル4世の命により14世紀後半から15世紀にかけて建造されたこの橋は、幅約10m、長さ約520mの強固なもの。現在は歩行者専用となっており、音楽演奏やパフォーマンスなどを行なう大道芸人、似顔絵描き、みやげ物の露店などが数多く出ている。
また、橋の欄干には30体の聖人の彫像が並ぶ。聖書や歴史的英雄などをモチーフにしたもので、橋が完成した後17?19世紀に設置された。中でも触ると幸運が訪れるといわれる聖ヤン・ネポムツキー像は、最初に建てられた唯一のブロンズ像で、橋のちょうど中央にある。日本にも縁のある聖フランシスコ・ザビエル像には、聖人を担ぐ東洋人らしき人物が表現されている。なお、旧市街側に建つ橋塔は、塔に上ってカレル橋を見渡すことができる。

(旧市街)

旧市街広場 Staromestske namesti

ヤン・フス像、ティーン教会、旧市庁舎、天文時計
プラハの中心となる広場。商業発展に伴いこの地を核として教会や住居が建てられ市街が形成されて以降、歴史的事件の舞台ともなっている。長い歴史を持つ広場は、ゴシック、ルネッサンス、バロックと各時代の様々な様式による建物に囲まれている。観光客でにぎわい、カフェやみやげ物店も多い。
ゴシック様式の塔が建つ旧市庁舎 Staromestska radnice は、第二次大戦中に一部を破壊された後、修復を受けたもの。壁には王国の首都の紋章が残っている。また、名物となっているのが塔の下部にある天文時計 Orloj だ。14?15世紀の天動説による天体と時間が示されているため、地球を中心にして太陽と月が回っている。一方その下にあるカレンダリウムは、獣の12宮と農村の四季の作業を暦に表している。仕掛け時計になっていて、毎正時(9:00?21:00)には、天使と死神の像、窓に現れるキリスト12使徒らの動きを見ようと多くの人々が集まる。
旧市庁舎の向かい側にあるのは、ティーン教会 Matka Bozi pred Tynem 。ティーンとはその裏手にあった税関の意で、もともとは外国商人たちの宿泊施設に付設した教会を1365年に改築したもの。ゴシック様式のアーケードとルネッサンス様式の飾り屋根を併せ持つ。象徴的な2つの塔は高さ約80mでその頂点には金の装飾が施されている。
明るい白壁の建物は、聖ミクラーシュ教会 Chram sv. Mikulase (マラー・ストラナにも同名の教会があるが、旧市街のこの教会の改装もディーツェンホーファー家が手掛けている)で、バロック様式のファサードを持つ。内部には華麗な天井画や彫刻があり、音響効果の良さからコンサートも開催される。 広場の中央にあるのはヤン・フス像 Pomnik Jana Husa 。堕落したローマ教会を批判し火あぶりの刑に処せられたフスと戦士たちの像が立っている。フス没後500年となる1915年に建造された。
このほか広場には、国立美術館グラフィック部門が展示されるゴルツ・キンスキー宮殿 Palac Golz-Kinskych や、現在はコンサートホールになっている13世紀のゴシック建築・石の鐘の家 Dum u kamenneho zvonu もある。

火薬塔 Prasna brana

旧市街広場から東に向かうツェレトゥナー通りを進んだところにある黒い塔。高さは約65m。1475年に建造されたゴシック様式の城門で、17世紀には火薬倉庫として利用された。19世紀末に修復を受け、現在はギャラリーとして公開されている。

プラハ・市民会館フォト

市民会館 Obecni dum

火薬塔の近くにある華麗な装飾が施された建物。かつて歴代の王の宮廷があった場所に、1911年文化的な催しを行なう施設として市民会館が建てられた。市長の間には、アルフォンス・ミュシャ(ムハ)などのチェコの芸術家によるアール・ヌーボーの装飾が見られる。
この会館のスメタナ・ホールは「プラハの春」音楽祭の会場となっていて、音楽会のオープニングの『祖国の春』が演奏されることで知られる。
アールヌーボーの華麗な装飾で飾られているミュシャの間は、アルフォンス・ミュシャが1904年から4年間かけて完成した。中央の円天井には大空に羽ばたく大鷲を真中にして、たわわに実る果実、収穫を祝う力強い人々を周囲に描き、部屋の隅々には誇り高きスラブ民族伝説の一場面の絵が描かれている。 見学はガイドツアーのみ。団体の場合は事前申込みが必要。日本語のパンフレットもある。ステンドグラスの採光窓や巨大なパイプオルガンなどが見られる。

カレル通り Karlova

旧市街広場とカレル橋を結ぶ曲がりくねった細い路地。ツェレトナー通りへと続くかつての「王の道」の一部だが、現在はみやげ物店やカフェが並び観光客でにぎわう通りとなっている。家並みに掲げられたそれぞれの紋章などを眺めながらのんびりと散策するのもおすすめ。途中には劇場も付設したマリオネット博物館 Muzeum a divadlo loutek もある。

エステート劇場(スタヴォフスケー劇場)

モーツァルト「ドン・ジョバンニ」初演。

ヴァーツラフ広場

長さ750m、幅60m、ビロード革命の中心地

(マラー・ストラナ)

聖ミクラーシュ教会 Chram sv. Mikulase

マラー・ストラナ広場の中央にある、プラハ・バロック様式の代表的な建築物。13世紀に建てられたゴシック様式の教会を18世紀にバロックの巨匠ディーツェンホーファー親子が改築した。1787年にここでモーツァルトがオルガン演奏したことで有名。彼が死去した際には追悼ミサが行われた。

(ユダヤ人地区)

旧新シナゴーグ Staronova synagaga

シナゴーグとはユダヤ教の教会のこと。この教会は13世紀に建設されたものに16世紀に増築が加えられたので、このような名称になった。
他にもユダヤの伝統文化の資料を展示しているクラウス・シナゴーグやナチスの迫害の犠牲者が壁にびっしりと書き込まれたピンカスシナゴーグなどがあり、共通チケットで入場できる。

(フラッチャニ地区)

プラハ城 Prazsky hrad

ヴルタヴァ川の西岸には小高い丘があり、フラッチャニ地区 Hrascany と呼ばれている。カレル橋や対岸から眺める景観も美しい。ここにはプラハのシンボルとなるプラハ城が市街を見下ろすようにそびえている。城内には、歴史的建造物や博物館、美術館など見どころが多い。
9世紀から建築が始まったプラハ城は、14世紀カレル4世の時代に現在の姿となる。フラッチャニ広場 Hradcanske 側に正面入口となる第一の中庭があり、毎正時には衛兵の交代式が行なわれている。特に正午のセレモニーは音楽隊をともなった大々的なものである。
そこからマチアス門 Matyasova brana をくぐった第二の中庭にチケット売り場がある。
さらに第三の中庭に入ると、聖ヴィート大聖堂 Katedrala sv.Vita がある。930年に建てられた教会は、ゴシック様式へと改築を重ねられ20世紀になってようやく完成した。内部は美しいステンドグラスで装飾され、ミュシャ(ムハ)の作品があることでも知られる。
また高さ約96mの塔に上って眺望を楽しむことができる。
大聖堂と向かい合った旧王宮 Stary Kralovsky palac の間を抜けると、イジー広場に出る。この北側には921年完成の城内最古の教会といわれる聖イジー教会 Bazilika sv.Jiri が建つ。2本の白い尖塔が特徴的なロマネスク様式の建築で、「プラハの春」音楽祭などではコンサート会場として利用される。
聖イジー教会をさらに進むと細い路地、黄金の小路 Zlata Ulicka へと繋がっている。この一角は城に仕える召使いや兵士、錬金術師などが住んでいた場所。カラフルな壁の小さな家が並ぶ通りの多くは、現在みやげ物店となっている。中ほどには、『変身』で知られる作家フランツ・カフカの家がある。No.22と書かれた青い家で、騒がしい下宿から逃れてここに通って仕事をしていた場所となっている。
この他にも、中世の錬金術師たちが行なった化学実験が展示される火薬塔 Prasna vez や、ヴァイオリン名手のダリボルが投獄されていたダリボルカ Daliborka などの見どころが集まっている。

ベルベデーレ宮殿 Kralovsky letohradek

プラハ城の北側、鹿の谷 Jereni Prikop を跨ぐ火薬橋 Prasny most を渡った先には広大なカレル庭園 Kralovska zahrada が広がっている。ここにあるベルベデーレ宮殿は、夏の間使われた王の離宮。

ストラホフ修道院 Strahovsky klaster

フラッチャニ地区の丘の西側、ストラホフ広場 Strahovske nam にある歴史ある修道院。現在は民族文学博物館となっている。
館内には、中世の初期バロック様式の装飾が残されている2つの図書室がある。天井の美しいフレスコ画と天球儀が置かれた神学の間と、大量の蔵書がびっしりと収められた哲学の間となっている。

(新市街)

ムハ博物館 Muchovo Muzeum

アールヌーボーの代表的画家アルフォンソ・ミュシャ(ムハ)の資料とポスターなどの作品が展示されている。併設のミュージアムショップも品揃えがいい。

近郊

トロヤ城 Trojsky Zamek

市の北方にあるバロック様式の建物。貴族の居城だったものが、現在はボヘミアングラスのギャラリーとなっている。大広間の見事な天井画も見られる。フランス式庭園も美しい。

<音楽家ゆかりの地>
チェコは数々の著名な音楽家を輩出した。プラハ市内には彼らのゆかりの地が点在している。旧市街の主要観光ポイントからは離れていることが多い。

スメタナ博物館 Muzeum B. Smetana

市街の中心部、ヴルタヴァ川に面した建物で、スメタナ自身が住んだこともある。館内にはスメタナが使用したピアノなどゆかりの品が展示されている。

プラハ・ドボルザーク記念館フォト

ドボルザーク記念館 Muzeum Antonin Dvorak

18世紀に建造された貴族の別荘だったところで、1961年にドボルザークの生誕120年を祝ったところ。彼が使ったピアノや直筆の楽譜などを展示する資料館となっている。
新市街の国立博物館から南へ1kmほどのところにある。














プラハ・ベルトラムカフォト

ベルトラムカ Bertramka

新市街から橋を渡ったヴルタヴァ川の西岸にある。17世紀にビール醸造家が建てたもので、オペラ歌手が買い取って1784年以後所有していた。
モーツァルトがプラハに来た時の常宿となっており、『ドン・ジョバンニ』(序曲)はここで作曲された。現在は彼の資料を展示するモーツァルト博物館となっている。






ヴィシェフラド Visehrad

スメタナの交響曲『わが祖国』第一楽章『ヴィシェフラド』でうたわれている地。
旧市街から5kmほど南へ、ヴルタヴァ川を臨む場所にある。中世にはボヘミア王の居城だったが、現在は国民墓地となっている。スメタナ、ドボルジャーク、ミュシャ(画家)などの墓がある。

エンターテイメント

プラハでは5月の音楽祭以外のシーズンでも、毎日のようにオペラやコンサートが行われている。オーケストラは1896年初演のチェコフィルとスメタナホールを拠点とするプラハ交響楽団が有名だ。
オペラやバレエの本格的劇場は、国立オペラ劇場、国民劇場、エステート劇場。国立オペラ劇場が最も頻繁に公演があるが、この3つの劇場でほぼ毎日をカバーしていると考えていい。演目はオペラが中心で、時折バレエやコンサートも行われる。
チェコでは人形劇(マリオネット)も人気があり、プラハには国立マリオネット劇場など、人形劇専用の劇場もいくつかある。

国立オペラ劇場 Statni opera

1888年に建てられて以来、多くの名演出家を輩出した伝統ある劇場。ベルディのオペラなどが演じられる。

国民劇場 Narodni divadlo

チェコ語によるチェコ芸術の発展のために設立された劇場。市民の献金により1881年に落成(直後に火災で焼失し、2年後に再建)。古典だけではなく、国内の現代作家による演目も行われている。

エステート劇場(スタヴォフスケー劇場 Stavovske divadlo)

1783年に建設され、87年にはモーツァルトがここで『ドン・ジョバンニ』の初演を指揮した。現在でもモーツァルト作のオペラ中心に公演が行わている。

ブラックライト・オールカラー・シアター

暗い舞台の中で人形が幻想的に浮き上がる一風変わった人形劇を公演している。
プラハならではのショーとして、旅行者にも人気がある。

郊外のボヘミア古城

ボヘミアの森には、戦闘に徹した強固で無骨な造りのものから、美しく優美な姿をたたえたものまで、その数100以上の古城が点在する。かつてのボヘミア王国の繁栄を垣間見ることができる歴史的建造物だが、社会主義時代には国家に接収され、体制変換後に個人に返還されたものもある。
1994年にドイツの古城街道からプラハまで延長されたエリアは、新古城街道と呼ばれる。

カルルシュタイン城
コノピシュチェ城
この2つを巡る日帰りツアーが月曜を除く毎日運行されている。
チェスキー・シュテルンベルク城
ネラホセベス城 Nelahozeves
クジボクラー城

















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