リューベック

概要
(シュレースヴイヒ・ホルシュタイン州)
人口:約22000人
-ハンブルクの北東約85km、850年以上もの歴史を誇るトラべ川のほとりの古都。
-ドイツ初の都市として、ハインリッヒ獅子公のもと1143年に誕生。、
-12世紀のハンザ同盟時代には「ハンザの女王」として貿易で栄え、海産物の取引所として各地の商人がたくさん訪れにぎわっていた。
-第二次大戦では大きな被害を受けたものの、今なお残る中世の赤レンガの建物とゴシック建築の7つの尖塔を持つ歴史ある街。
-まるで、トラヴェ川と運河に守られるように囲まれたリューベックは、旧市街の玄関口でもある街のシンボル、ホルステン門 Holstentor をくぐるとすぐに中世の趣が漂う美しい街並みが広がる。
-作家のトーマス・マンが1875年に生まれた町としても知られ、ノーベル賞受賞作「ブリデンブローワの家の人々」はこの町が舞台になっている。
-裕福なハンザ商人の家やレンガ造りの美しい教会が立ち並んでいたメンワ通りには彼の生家がある。
-現在は内部が銀行になっていて、残された正面壁が当時を忍ばせます。
沢山の歴史的な建物が残るこの町は1987年にユネスコの世界遺産に登録された。
-街を一望する聖ペトリ教会 St. Petrikirche をはじめ、重厚な建築の市庁舎、大聖堂、博物館など迫力ある歴史的建造物が見ごたえもたっぷりに迎えてくれる。


アクセス
空路はあるが、ベルリンやハンブルグなどの主要都市からは鉄道の方がはるかに便利だ。
空港
リューベック・ブランケンゼー空港 Lubeck-Blankensee(LBC)
http://www.fhl-web.de/en/home/
市内の南7km
格安航空ライアンエアーRyanairがロンドン・スタンステッド空港、ストックホルム、パルマデマヨルカ間などに就航している。曜日により異なる。
http://www.ryanair.com
市内へ:
バス#6がリューベック中央駅と中央バスターミナルへ運行。
ハンブルグ行きはフライト発着に合わせて運行、l時間15分。

鉄道
ハンブルグ中央駅 Hamburg Hbf.からリューベック中央駅Lubeck Hbf.45分、1時間間隔。


見どころ
ホルステン門 Holstentor
円錐形の2つの塔を持つ。
堅固なつくりの市城門は1469年から1478年にかけて建てられた。今も街の顔として愛され続けている。
城壁の外に突き出た形で建っており、防備施設としてよりはむしろ町の威信を示す建造物として造られたもの。
内側の、町に面した正面のほうがより丹念な造りになっており、三層の装飾アーケードと陶器製の装飾フリーズに飾られている。現在はこの中に市の歴史博物館Stadtgeschichtliche Museum im Holstentorが設けられバルト海交易の資料や市の模型などを展示、公開する。
また門の先、右手にはリューネブルク産の塩を貯蔵した塩の倉庫が群がっている。
中世の頃、この塩は「白い金」と呼ばれ、バルト海沿岸の国との交易を通しリューベックに繁栄をもたらした源として、大切に貯蔵されていた。

市庁舎 Rathaus
ドイツの数ある市庁舎のなかで、もっとも美しいもののひとつにあげられる。
威厳と風格を備えた黒いレンガ造りの建物は、当時の繁栄を色濃く今に残す。
13世紀に建てられた北側の壁がもっとも古く、2つの大きな風穴がある。
もとはゴシック建築だが、16世紀にルネサンス様式で増築。
地下にはレストラン「ラーツケラー」がある。

マリエン教会 Marienkirche
市庁舎に隣接するゴシック様式の教会。
高さ125mの2本の尖塔がそびえ立つ。
13-14世紀に建てられたもので、レンガ造りの建物ではドイツ最大級。
教会の鐘は1942年に、第二次世界大戦の空襲で落ち、戦争警告の碑として、焼け落ちた鐘がそのままの姿で残されている。
内部には世界最大の機械仕掛けのオルガンや、入口のど反対側の天文時計などがある。
当時ここでは、バッハまでも魅了したというオルガン演奏者ブクステフーデが活躍。
また、ヘンデルまでもが遠路をかまわず頻繁に足を運んだという。
また世界最大級のパイプオルガンも必見。月曜休館

聖ペテロ教会 Petrikirche:
240年頃の古いロマネスク様式の教会を、14世紀の前半、ゴシック様式に改造。
15世紀中頃、16世紀初頭にそれぞれ側廊が付け加えられた。
塔上の展望台へエレベーターで上がることができる。

フッデンフロークハウス Buddenbrookhaus:
リューベックの豪商一家の盛衰を描いたトーマス・マンの長編小説「フッデンブローク家の人々The Buddenbrooks」(1901年)の舞台となった家。
また、マレーネ・デートリッヒ主演で映画化された「嘆きの天使Der Blaue Engel」を書いた、兄のハインリヒの記念でもある。悲劇的な家族の歴史の要約もある。
現在はハインリヒおよぴトーマス・マン・センターが置かれており、リューベックが生んだこの有名な作家兄弟の、生涯と作品を伝えている。
Mengstrassee 4。月曜休館
http://www.buddenbrookhaus.de

聖霊病院 Heikigen-Geist-Hospital:
ドイツ最古(1227年)の病院で、4つの細長い8角形の尖塔が切妻屋根と交互に建ち並んでいる。
礼拝堂は13世紀と14世紀の絵に飾られた大きなホール形をしており、身廊のような施療院の大広間Langes Hausに続いている。
中に入ると、ゴシック建築初期の教会広間を通り抜けて、病院の入口に抜けるようになっており、1820年頃に造られた、病人やお年寄りのための小部屋が見られる。
ここは現在はリューベックで人気のクリスマス市場が開かれる場所になっている。
入場無料

大聖堂 Dom :
1173年のロマネスク様式の建物であったが、14世紀に内陣が建て直され、ゴシック様式に変えられた。
13世紀の中頃、十字交差部北側に屋根付きの入口と非常に美しいポーチが付け加えられた。
内部では、「栄光の梁Ruhmesba1ken」に据えられているベルント・ノートケ Bernt Notkeの作品となる高さ17mの勝利の十字架上のキリスト像Triumphkreuz(1477年)と、内陣仕切りの左側、シュテックニッツStecknitzによる商人たちの祭壇画(1422年)が見どころ。

聖アンナ博物館 St.Annen Museum:
旧修道院の建物に設置されたこの博物館は、リュ−ペック市の古文化を収めているが、宗教彫刻部門の所蔵品は特に豊かである。
とりわけ注目に値するのは、マイスター・ベルント・ノートケ(15世紀の作品の数々と、1491年ハンス・メムリンクHans Memllngの描いたキリスト受難の祭壇画Passionsaltarである。月曜休館

聖ヤーコフ教会 Jacobikirche:
ゴシック様式のホール式教会で、それぞれ16世紀と17世紀のオルガンが12台ある。
いずれも板張りの部分にみことな細工が施されている。
南側の礼拝室に「プレムプセBrombse」と呼ばれる祭壇があり、非常に精巧な浅浮彫が施されている。
北側の最初の脇聖堂は難破者の慰霊堂となっており、1957年、乗員を乗せたまま行方不明となったリューベックの練習帆船「バミールPamir」号の救命ボートが安置されている。

聖カタリーナ教会 Katharinenkirche:

プルク門 Burgtor:
この門は、かつてリューベックの町に通じる唯一の陸路のあった舌状の小さな土地(現在は運河力傾切っている)を守っていた。13世紀から15世紀にかけての美しい軍事建造物である。


周辺の見どころ
トラヴェミュンデ Travemunde
北東20km
詳しくは[[こちら>../トラヴェミュンデ]]

ゴートムント Gothmund
リューベック郊外の漁村がある。漁師たちの小屋が立ち並ぶフィッシャーヴュークFischerwegという小路に沿ってさんさくするのがおすすめ。
12番のリューベック中央バスターミナル発着所からバス#12終点(ほぼ20分間隔)