エトルタ Etretat

概要

ル・アーブルから北西に車で約1時間ほどのところにある景勝地。
ノルマンディ地方独特の木造建築が数多く残る海沿いの小さな町。
長年の風雨にさらされてできた自然のアーチのある巨大な石灰岩の断崖でよく知られる。

町の西側が海に面し、ビーチの左右に高さ約100mの切り立った断崖がそびえている。
浜は粗い砂利で、水温も低いので海水浴にはあまり適していないが、夏は浜辺で日光浴をする人も多い。

ビーチから見える2つの断崖、左側の断崖がアヴァルの断崖、右側がアモンの断崖。
アヴァルの断崖は文化人も多く訪れ、その独特の絵になる景観は、モネやブーダン、クールベの作品でも描かれている。
アモンの断崖は、リンドバーグの成功の少し前に大西洋横断飛行に挑戦し、消息を絶ったナンジェセールとコリーがフランスで最後に見られた場所として知られている。丘の上に彼らの勇気を讃えた博物館が設けられている。

市内には「怪盗ルパンの館」の作家モーリス・ルブランが夏の避暑に住んでいた家が博物館となっている。ルパン・シリーズの小説「奇巌城」の舞台となっている。小説の登場するスリリングな仕掛けがあたかも本物のコレクションのように展示されている。
ノルマンディを舞台に繰り広げられた怪盗ルパンの胸のすくような冒険譚はここで生まれたのだ。

ここはカキの養殖が有名で、シーフードは楽しめる。
海岸の隅の方に、船に屋根を付けたような小屋がある。
これは、もともと獲った魚を積んでいくための船で、他の船に引っ張られていたもの。
古くなっても残しておいて小屋に再利用しているもの。
この町には、沢山ある特徴的な建物である。
この船が見えると、女性たちも集まって船を浜に揚げるのを手伝ったという。
当時は、いろいろな魚が採れたが、特にニシン漁が盛んだった。
今は、サバ、ヒラメ、カレイなどのほか、トラザメもとれるという。

アクセス

鉄道

パリ・サンラザール駅からルアーブル駅Le Havreまで2時間半、
駅の裏側から出るローカルバスで1時間。
ルアーブルからエトルタまでは車またはタクシーで約30分。
パリを朝早く出発すれば日帰りも可能。

見どころ


アヴァルの断崖 Falaise d’Aval

その真ん前にはエトルタの針 l'Aiguille と呼ばれる海に突き出た岩。高さ51mの尖った岩が海面にそびえ立っている。
隣りのゾウの鼻のような天然のアーチ型の穴はマンヌ・ポルト(大きな門) Manneporteと呼ばれている。
エトルタの断崖の風景は、印象派の画家の多くが描いている。
モネの他、クールベ、ドラクロア、マチスなども描いている。

アモンの断崖 Falaise d’Amont
ナンジュセールとコリの記念碑 Monument Nungesser et Coli

リンドバーグより2週間ほど前に大西洋横断飛行に挑んだ2人のフランス人飛行士のモニュメント。
第一次世界大戦の英雄シャルル・ナンジェッセと、フランソワ・コリ。
1927年5月8日、パリ~ニューヨーク間無着陸飛行を白鳥号l'Oiseau Blancと名づけた飛行機で横断を試みたが消息を絶ってしまった。フランスで最後に見られたのがエトルタだった。
この飛行を記念した記念碑がたてられたが、第二次世界大戦のドイツ軍侵攻で破壊されてしまった。新たに以前より高さのある記念碑が1963年に建設された。
矢をかたどった白いモニュメントは、中心軸から斜めに60度傾き、先端は地上から24mの高さがある。このモニュメントはアモンの断崖の上、ノートル・ダム・ドゥ・ラ・ガルド礼拝堂のそばに建てられている。

ノートル・ダム・ドゥ・ラ・ガルド礼拝堂 Chapelle Notre-Dame de la Garde

アモンの断崖の高台に1854年に建てられた。
船乗りたちが建設資材を運んだとされる。
1942年、ドイツ軍に破壊されてしまうが、1950年に再建された。

モーリス・ルブラン記念館 Musée de Maurice Leblanc
(アルセーヌ・ルパンの館 Falaise d’Amont)

エトルタ市内の中心部に建つ広い敷地を持つ館。怪盗ルパンの家と呼ばれている。
「怪盗紳士アルセーヌ・ルパン」の作者として知られるモーリス・ルブラン(1864-1941年)Maurice Leblancが執筆していたところ。夏を過ごすために別荘として建てたもの。

世界中の少年少女が胸をときめかして読んだシリーズだった。
この館は、「アルセーヌ・ルパン」の隠れ屋と言われている。

まるでルパンが実在していたかのような、小説の中で盗み出したコレクションの数々が展示されてある。
ルパンシリーズは1905年から20数年間にわたって出版され、大ヒットした。
2階にはルパンシリーズの愛好家を楽しませる財宝の在処を示す暗号などの仕掛けもある。
窓際に書かれた奇妙な文字の羅列。財宝のありかを示す暗号だという。数字をローマ字に置き換えるとある文字が浮かぶ。研究室には、小説に出てくる暗号を書いた黒板や、隠れ家だった奇岩城の模型が展示がされている。

奇厳城は1909年に発表されたルパンシリーズ第4弾のタイトルで、シャーロックホームズとの対話が描かれている。

ノルマンディを舞台に繰り広げられた怪盗ルパンの胸のすくような冒険譚はここで生まれたのだ。

おすすめレストラン

レストラン「レフェメール」

目の前にエトルタの断崖の絶景を眺められる。
2階席の窓から、アモンの崖、そして、マヌポルトが見える。
この地方でとれた、オマールエビ、アンコウ、サーモン、ホタテやエイ、それからタラとアーモンドと呼ばれるホンタマキガイなどを使ったノルマンディ地方のリンゴ酒、カルヴァドスを入れたブイヤベースがおすすめ。















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