パリの郊外旅行の中でロワール古城とともに人気を2分している世界遺産の名勝地モンサンミッシェルは結構時間がかかる。

*高速道路の発達やTGVの普及で日帰り出来るところとはなっているが、それでも一日たっぷりかかってしまう。
*モン・サン・ミッシェルとその湾は、世界遺産に登録されている。
*周囲を遠浅の海に囲まれた小島の町で、全体が要塞のように岩山の上に立っている。
*潮の干満の差が激しい湾のため、満潮時には海岸線から約1km離れた海の孤島になり、干潮時のみ海岸と陸続きになる。
*近年造られた島と陸地を結ぶ堤防道路は、周りに砂を堆積(たいせき)させてしまい、島本来の景観を損ねるという理由で取り壊される予定となっている。
*代わりに海水の流れを良くするためには市が建設される予定で、その工事が始まっている。
*この場所はケルト人の時代から信仰の対象とされていたが、修道院は8世紀に大天使ミカエルの夢のお告げを受けたノルマンディー司教が建てた聖堂を起源としている。
*その後、増改築を繰り返し、11世紀にロマネスク様式の大聖堂と修道院が建てられ、13世紀にゴシック様式の回廊が造られた。
*14世紀の百年戦争では要塞として強化され、15世紀には内陣をゴシック・フランボワイヤン様式に改築された。
*いずれの増改築も岩山の上という立地条件のため、その作業は大変困難なものだったといわれる。
*ルイ11世からナポレオン3世の時代までは監獄として利用され合計で1万人を超える受刑者が拘留されていた。
-1080年に完成した修道院付属教会 Église abbatiale は、地下礼拝堂の上に建てられたもの。
-身廊のアーケードや階廊席などはノルマン・ロマネスク様式、内陣はゴシック・フランボ-ワイヤン様式となっている。
-修道院の北側にある僧院と回廊は、ラ・メルヴェイユ La Merveille と呼ばれる。
-3層の構造で、聖職者、貴族、平民と地位によって部屋の高さも分けられていた。
-島内のメインストリートとなるグラン・リュ Grand Rue には、古くから巡礼者向けのみやげ物店やレストランが並んでいる。


アクセス
パリから約400km。
鉄道
モンパルナス駅からレンヌ(RENNES)までTGVを利用する。約30-60分おきに出ている。所要時間2時間
レンヌからはカーン(CARN)行きでローカル列車に乗換える。
ポントソン(PONTORSON)駅下車(約50分)
駅前からバスで5分
歩いたら30分ほど
このローカル列車は2時間おきなのでパリ発のTGVの選択を間違えないようにする。
レンヌ駅前からモンサンミッシェル行き直通バスもある。

定期観光バス日帰りコース
-パリ市内からパリビジョンまたはシティラマが主催している
-毎日催行していないのでパンフレットで確認する。
 (片道350kmの道程)は朝7時出発。
-ホテルピックアップはない。主催旅行会社前から出発する。
-高速道路A10でカーン(CARN)まで4時間、さらに一般道路で約1時間半、途中で昼食となる。
-モンサンミッシェル着 14:30〜15:00 島内は自由に散策、約1時間ほど。
-モンサンミッシェルの島の中での滞在時間が少ないので山頂の修道院内の見学はできない。
-急いで上まで上がってすぐ折り返してきてぎりぎりというところだ。


モンサンミッシェルのみどころ
山頂に修道院の内部見学は時間が決められており、専任のガイドが同行することとなっている。
各部屋ごとの説明があるが日本人にはあまりお勧めするほどのものではない。
時間的にも、修道院横の展望台から見晴らすだけで十分だ。山頂までは10分ほど。
陸地側から島の入口まで約2kmある。島への入口に大きな駐車場がある。バスも乗用車もすべてここから中へはいれない。夏はこの駐車場もいっぱいになり、陸地側から歩かなくてはならない。
島へ入って直ぐのところに名物のオムレツ屋があり、時折大きな鍋でカタコト音を立てて掻き混ぜている。

周辺の宿泊施設
宿泊地の選択が非常に難しいところ。
(島の中)
モンサンミッシェルの島の中はホテルといっても10ルームくらいの簡易宿泊所程度が数軒あるだけ、もちろんシャワーが付いていないところも多い。
(陸地側)
島への道路の始まる手前に3ツ星クラスのホテルが6軒ほどあり、ここが唯一宿泊可能なところとなる。コテージスタイルのバンガローも1軒ある。
一番いいのが4星クラスのルレ・モンサンミッシェルで個人向け、
このホテルからの夜のライトアップされた景色は見応えがある。
部屋数が割合多くて取り易いのがメルキュール・ホテル、だが、冬期休業、
般的に夏の7―8月にピークシーズンには、このエリアのホテルは早くから満員になってしまう。
この地域を逃すと30分さらに西へ走った港町サン・マロになってしまう。
ここは比較的ホテルの数も多く、収容能力もある。