パリの美術館では

時間と趣向によって計画を立てて巡る
ルーブル、オルセーは規模が大きいので内部を歩いているだけでも1時間以上かかるほどだ。
日本人に人気のある印象派の作品はオルセーに集まっているし、モナリザやミロのビーナス像はルーブルにある。
モネの作品を多く見たいというならオランジュリー、マルモッタン。
ルーブル、オルセー、オランジュリーはいずれも徒歩圏内にあるので短い時間にただ見るだけなら1日で巡ることもできる。
(参考)
3大美術館
ルーブル美術館、オルセー美術館、国立近代美術館
4大美術館
マルモッタン美術館、オランジュリー美術館、ロダン美術館、ピカソ美術館


混雑する日はいつか
ルーブルやオルセーは週末は入場に時間がかかる。毎月第1日曜は入場無料で特に混むのでなるべく避ける。いずれも朝早く行くといい。
ルーブルは火曜休み、オルセーは月曜休みでもう一方が混む。

カルト・ミュゼ CARTE MUSEEを持っていると並ばなくても入れる
カルト・ミュゼはパリと近郊合わせて70の美術館や博物館、史跡で使えるフリーパス。
ルーヴルやオルセー美術館などの総合美術館や、ヴェルサイユ宮殿など、主なところはほとんどカバーしている。
テーマ博物館はカバーしていないところもある。
チケットを買う長い行列に並ぶこともなく、一日に何度も出入り自由。
カルト・ミュゼに含まれている美術館・博物館の窓口で購入できる。
メトロの主な駅や観光局でも購入できる。
観光局はシャンゼリゼ大通りの中ほどにある。料金:2日パス30ユーロ、4日連続パス45ユーロ、6日連続パス60ユーロ
ただし、特別展への入場はできない。
日本での問合わせ・購入先:
パリ・ミュージアム・パス・ジャポン
http://parismuseumpass-japon.com
TEL: 03-3578-7133

年齢による割引がある
パリの美術館は学割はなく、年齢による割引がある。
18歳未満無料、18歳〜25歳割引、60歳以上割引など。
割引を受ける場合には旅券提示が必要。
日曜日が無料または割引になる場合もある。
学割はない。

閉館は30分前
ガイドブックや各ミュゼの入口に記してある閉館時間は職員の帰る時間であり、少なくとも20〜30分前には館内の見学者は退出を求められる。
ほとんどの美術館でチケット売り場も30分前には閉まる。ルーブルは45分前。
ミュゼによっては開館している時間帯が季節(夏・冬)によって変わる。

休館日・閉館時間に注意
ほとんどの美術館は、月曜または火曜日が休館日。
何かの行事で開閉館時間が予告なく変更される場合もある。
大きな美術館では職員の数が不足するときには一部分を閉鎖している場合がある。特にバカンスシーズンは多い。
祝日に閉館するかどうかは、その都度組合と交渉して職員や警備員の出勤が可能かどうかを2〜3週間前に決定する習わしになっている。

館内での撮影
美術館内での撮影は、全く不可のところとフラッシュや三脚を使用しない限りは可能なところがある。
入口の案内をよく見てルールを守ること。

作品の一部が貸し出されて見られないことがある
日本でもたびたび著名な画家を中心にした展示会が美術館などで催されることがあるが、各美術館とも世界中の展示会などに貸し出されていて、せっかく訪ねて行ったのに期待していたものが見られないということもある。
沢山の作品を所蔵する美術館はその維持に膨大な経費が掛かるため、その補填に貸し出しを積極的に行う傾向にある。


美術館・博物館リスト
(総合美術館 Grands Musees)

*ルーブル美術館 Musee du Louvre
古代〜1858年の絵画・彫刻が中心
*オルセー美術館 Musee d’Orsey 
1858年(2月革命)〜1914年(第1次世界大戦)の作品、印象派が集まる。
*国立近代美術館 Musee National d'Art Moderne 
1915年以降近代・現代の作品
*オランジュリー美術館 Musee de l'Orangerie
モネの大連作「睡蓮」4点が並ぶ
*マルモッタン美術館 Musee Marmottan
モネの代表作「印象・日の出」など世界最大級のモネコレクション
*ジュー・ド・ポーム国立ギャラリー Galerie Nationale du Jeu de Paume
現代美術の常設展示と企画展が多い美術館
*グラン・パレ Grand Palais
各種の展覧会場と科学博物館からなる。
*プティ・パレ Musee du Petit Palais
17・18世紀の絵画、陶器などの展示。モネ、シスレー、レンブラントもある。
*パリ市立近代美術館 Musee d'Art Moderne de la Ville de Paris 
デュフィ、マチス、レジェといったキュビズムの作品がある

(アーティスト別美術館Musees par Artiste)
作品のコレクションがある美術館と生家や住居跡や遺品を展示してあるだけの博物館がある。
*ギュスターブ・モロー美術館 Musee National Gustave Moreau
神話の世界をたくさん描いたモローがアトリエにしていたところ。
*ダリ美術館 Espace Montmartre-Dali
ダリのオブジェ、デッサン、版画などの作品300点の展示
*ドラクロワ美術館 Musee National Eugene Delacroix
晩年のアトリエ兼住居を当時のままに再現
*ピカソ美術館(サレ館) Musee Picasso(Hotel Sale)
ピカソが愛蔵していた作品を年代順に展示、
*ロダン美術館 Musee Rodin  
ロダンが暮らしていた館に代表作の数々が展示
*ヴィクトル・ユゴー記念館 Maison Victor Hugo
16年間執筆活動をしていた住居。「レ・ミゼラブル」の原型もここで執筆。
*マイヨール美術館 Musee Maillol
マイヨールの彫刻作品の展示。
*ロマン派美術館 Musee de la Vie Romantique
エルネスト・ルナン、アリ・シェフェールの住んだ家
*バルザックの家 Maison de Balzac
生活に困窮しながらも8年間暮らしていた近代小説の巨匠の家
*ブールデル美術館 Musee Bourdelle
彫刻家ブールデルの作品や習作の展示。どれも巨大なもの。
*ザッキン美術館 Musee Zadkine
ロシア人彫刻家雑菌の住居兼アトリエだったところ。
*アンリ・カルティエ・ブレッソン財団 Fandation Henri Cartier Brsson
20世紀を代表する名カメラマンの記念館


(個人コレクション>/パリ・Collections Privees)
アーティストとは関係なく資産家などのコレクションを寄贈した美術館
*国立ギメ東洋美術館 Musee National des Arts Asiatiques Guimet  
エミール・ギメが収集した膨大な東洋美術のコレクション
*カルティエ財団現代美術館 Fondation Cartier pour l'Art Contemporain  
カルティエ財団が支援する現代アートの展示をするガラス張りのモダンな建物
*ジャックマール・アンドレ美術館 Musee Jacquemart-Andre    
フランスやイタリアの絵画、アジアの家具調度品などのコレクション
*セルニュスキ美術館 Musee Cernuschi
銀行家セルニュスキが収集した中国美術のコレクション


(テーマ別コレクション,Collections per Themes)

それぞれの組織団体や産業界が支援している歴史的貴重な資料などを展示しているものと、課税対策上博物館にしているものがあり貴重な時間にわざわざ訪ねるほどのものではないものもある。
*ケ・ブランリー美術館 Musee du Quai Branly
4大陸の文化芸術を展示
*モード・織物博物館 Musee de la Mode et du Textile  
16世紀から現代までのドレスや宝飾品約8万点の所蔵・展示
*装飾芸術美術館 Musee des Arts Decoratifs
中世から現代までの調度品、インテリアなど室内装飾の歩みを見る。
*ギャリエラ・モード博物館 Musee Galliera
モードに関する企画展専門の美術館
*広告博物館 Musee de la Publicite
商業広告の歴史がわかる
*欧州写真館 Maison Europeenne de la Photographie 
話題の写真の展示、1万2000点の写真集。
*バカラ美術館 Musee du Cristal de Baccarat
クリスタルのバカラ社の名品の展示
*ブイエー・クリストフル美術館 Musee Bouilhet Christofle
銀食器の老舗クリストフルの歴史的貴重な食器の展示。
*人形博物館 Musée de la Poupée
19〜20世紀のフランス人形200点を展示
*中世(旧クリュニー)博物館 Musee National de Moyen Age(Thermes de Cluny) 
宗教美術の歴史を学ぶ
*カルナヴァレ歴史博物館 Musee Carnavalet>
17〜19世紀のパリの歴史を描いた博物館
*国立自然史博物館 Musee National d'Histoire Naturelle 
3つの博物館、古生物、鉱物、進化陳列からなる。
*国立海洋博物館 Musee National de la Marine
17世紀から現代までのフランス海軍の歴史的資料の展示
*音楽博物館 Musee de le Musique 
ラ・ヴィレットにある楽器のコレクション
*アラブ世界研究所 Institut du Monde Arabe 
イスラム文化の理解と向上のために建てられた現代建築
*映画博物館 Musee du Cinema Henri Langlois
アンリ・ラングロアの映画の膨大なコレクション。フィルムライブラリーも併設。
*郵便博物館 Musee de la Poste
中世から現代までのフランスの通信・郵便の歴史
*ワイン博物館 Musee du Vin
貴重なワイン、ワインボトル、グラスなどの展示。
*科学技術博物館(発見の殿堂) Palais de la Decouverte
グランパレの一部。プラネタリウムがある。
*科学・産業博物館 (ラ・ヴィレット)Cite des Sciences et de l’Industrie(La Villette)
フランスのハイテクを集めた未来空間。球形のパノラマ映画館「ジオット」もある。
*メゾン・ドゥ・レール Maison de l'Air
ベルヴィル公園の最上部にある空気の博物館
*グレヴァン博物館 Musee Grevin
蝋人形館
*イミテーション博物館 Musee de la Contrefacon
偽物をテーマにした博物館。ヴィトンやカルティエも。
*警察博物館 Musee de la Prefecture de Police
中世から現代までのフランスの有名な犯罪に使われた凶器や捜査関連のコレクション
*貨幣博物館 Musee de la Monnaie
16世紀から現代までのフランスの貨幣と勲章の展示
*レジオン・ドヌール博物館 Musee de la Legion d’Honneur
世界各国の勲章のコレクション
*フランス文化財博物館 Musee des Monuments Francais
中世フランス各地の聖堂の彫刻や版画の模写展示。
*フランス歴史博物館 Musee de l’Histoire de la France
フランスのレジ市場の著名人の遺品の展示。ナポレオンやマリーアントワネットも。
*医療歴史博物館> Musee d’Histoire de la Medecine
フランスの歴代の医療関連器具の展示
*国立民族民芸博物館 MuseeNational des Arts et Traditions Populaires
フランスの田舎の生活の中の民芸品の展示
*軍事博物館 Musee de l'Armee
フランスの歴代の武器や軍装を展示。
*鉱物博物館 Galerie de Mineralogie
世界各国から集められた鉱物の原石やカッティングされたものを展示
*下水道博物館 Musee des Egouts
大都市をコレラ汚染から救った19世紀半ばの下水道工事の歴史を見学。
*狩猟自然博物館 Musee de la Chasse et de la Nature
中世のフランスのハンティングをテーマにした博物館
*人類博物館 Musee de l'Homme
マヤ、アステカ文明に関する博物館。民族楽器のコレクションもある。
*エロチズム博物館 Musee de l’Erotisme
ポルノショップではない。パリでは博物館になってしまう。
*マジック博物館 Musee de la Magic
年代物のマジックグッズが展示。
*モンマルトル博物館 Musee de Montmartre
ルノアールやユトリロなどモンマルトル地区に居住した画家の資料の展示
*フリーメイソン博物館 Musee de la Tranc-Maconnerie
秘密結社フリーメイソンに関連する遺品の展示