セピーノ Sepino
標高698m。人口約2,300人。

概要
モリーゼ州カンポバッソ県。
9世紀にサラセン人による略奪があった後に,安全な場所に身を寄せたセピヌムに住むローマ人とアルテイリアの人々が築いた都市である。
森に囲まれ,マテーセ山地の最も東にある。


セピヌムの遺跡 Resti di Saepinum
セピーノの丘の上から北へ約3.5km下がったところに位置する1世紀のローマ時代の都市遺跡。

この地方の羊飼い達は過去2000年間つい最近まで「トラットウロ」と呼ばれる道を通って牧草を求めて、冬は南の低地ベネヴエントから夏は遠く隣のアブルッツォ地方の高地まで遊牧して歩いていた。
ローマ人がこのトラットゥロの上に羊飼いから羊の数に応じて通行税を取り立てるために建設した町である。

非常によい状態で残っており、当時の繁栄を示す縦横に走る石畳の道.
この道は町の南東ベネヴェント門Porta Beneventoから北西ボヤーノ門Porta di Bojanoまで町の中心を真っ直ぐに横切り、城壁の外へと遠く続いている。

城壁内には数多くの家屋の基礎、バジリカ(古代ローマの裁判や取り引きのための建物)の石柱、アンフイテアトロ(闘技場)、クリフォの泉のあるフォロ、広場や公衆浴場の跡を見ることができる。また城壁の外では,2つの霊廟を見られる。

べネヴェント門のところには,考古学博物館Museo Archeologicoがある。
見学は,6月〜9月は9時〜13時と15時〜19時,月曜休館,
また,劇場には2つの博物館があり,地元からの出土品を展示している。

この町はローマの地方都市としてだらだらと生き残り、サラセンによって9世紀に滅ぼされる。
しかしその後も、附近の農民達がその辺りにいくらでも転がっているローマ時代の石柱やレンガを使って家を建て住み続けていたようだが、そのうち皆もっと安全な丘の上にある現在の町セピーノへと移っていった。
もっとも最近では、またこちらの方へ戻って来る人もいて、小さな住居が点在している。


アクセス
イタリアの古代ローマの遺跡の中で一番人が訪れない部類に入るところだ。
車がないととても不便だ。
公共の交通機関を使ってセピヌムに行くには、カンポバッソ Campobassoから出ている本数の少ない県営のバスで、遺跡のそばのアルテイリア Altiliaという小さな村で下車するか、セピーノまで行って、遺跡まで3.5km歩くか、どちらかである。

カンポバッソまではローマ・テルミニから1日数便直通列車が運行されている。その場合には日帰りは虫なので、カンポバッソかアドリア海側のテルモリTermoliに宿泊する必要がある。