概要
イタリア半島の最南端、長靴の指先の先端部分のサンテリーアから内陸に5kmほど入ったところにあるほとんど廃墟と化した村。

歯が折れたのこぎりのような、ぎざぎざの巨岩の中腹にへばりつくように点在する家屋の痕。 
村の名前は、ギリシャ語の「5本の指」、ペンテダッティロ Pentadaktylosに由来する。
このあたりは、古くからギリシャの影響が色濃く残る。

5本指を形成する標高454mのカルヴァリー山 Mount Calvaryの大きな先端部の形状は
砂岩でできた岩山が長年の浸食を受け5本指のように不揃いの尖峰になってしまったものだ。さらにその指も短くなり、今では指の面影を残すだけになってしまっている。

1783年の大地震で山からの崩落でペンテダッティロは壊滅的になり、村人たちは徐々に海岸部へ移住し始めて行った。
さらに、1908年、2度目の大地震が湖の集落に襲い掛かり、地滑りで大きな被害を被り、
住民は移住を余儀なくされた。
今は、家屋のほとんどが廃屋になってしまい、屋根が落ちぬけていたり、土台だけになってしまっているものもある。
唯一、村の守護神ピエトロ・パオロ教会 Chiesa SS. Pietro e Paoloだけが昔のまま残されているが、住民不在の教会の扉は、閉ざされたままになっている。
海岸部へ移り棲んでしまった人たちが整備しているのか、建物は修復した痕跡がある。

近頃、アーティストたちがこういった廃墟となっている村に住みつき、芸術活動をするようになっているが、ここにもその兆しが見えてきている。