ユーラシア大陸の最西端ロカ岬から,1400〜1800km西の大西洋上に浮ぷアゾレス諸島は,9つの島を中心にした火山群島で,リスボンからは飛行機で約2時間。
アゾレスとは「鷹の島々」という意味である。
「失われた大陸・アトランティス」の一部という伝説も残り,紀元前にはフェニキア人に知られていて,北欧の人々も訪れていたこの諸島は,その絶新大陸を結ぷ交通の要衝として発展を遂げた。
亜熱帯性気候と雨が豊かな緑を育てる,牧歌的な島々である。

アソーレス諸島の総面積は2335ku,人口約25万人。人の住んでいるのは9島で,
地理・行政上は
南東部はサン・ミゲル,サンタ・マリアの2島,
中部はテルセイラ,グラシオーザ,サン・ジョルジェ,ファイアル,ピコの5島,
北西部はフローレス,コルヴオの2島
の,3区域に大別されている。
最東端のサンタ・マリア島はポルトガルから1400km,最西端のフローレス島は北アメリカ東岸から3750kmという位置にある。
平均気温が冬14℃,夏220Cとメキシコ湾流の影響で穏やかな亜熱帯気候だが,貿易風の影響で強い風が吹き,マディラ諸島より雨量も多い。
カルデラやクレーターがつくり出した地形と豊かな緑は,牧歌的な美しい景観をつくり出している。
ポルトガルとの関わりは,1427年エンリケ航海王子が船乗りたちを派遣したことに始まる。
1432年,ゴンサロ・ヴェリョ・カブラルがサンタ・マリア島に上陸,1452年までには全島が知られ入植が進められた。新大陸交易の重要な中継地となり,1580年〜1640年の間はスペインの支配下に置かれ,2つの世界大戦中はアメリカの基地が置かれるなど,歴史の中で重要な役割を果たしてきた。
主要産業は麦,果物,タバコといった農業で,家内工業を主としたわずかなテキスタイル生産を含め,主にポルトガル本土に送っている。
ワインは全島で作られている。
最北西端のコルヴオ島を除き,全島に空港があり,サン・ミゲル,テルセイラ,サンタ・マリアの3島には国際便も発着している。
各島間は航空便とフェリーで結ばれ,島内はコルヴオ島を除きバスの便があり,
タクシーもある。

アゾレス諸島の観光ポイント
寄港するガレオン船で賑わい,海賊船や私掠船が跋扈し,捕鯨に沸いた中世以来の海の男たちの島アゾレス諸島。
ここでの観光は,施設面で最も充実しているサン・ミグル島,中部にあってホェールウォッチングやマリンスポーツの中心となるピコ,ファイアル,サンジョルジュの各島と,世界文化遺産のあるテルセイラ島が,それぞれの目的に応じたゲートウェイとなる。
あじさいの咲く季節,ホェールウォッチング,マリンスポーツなどは,いずれも6月から9月頃がベストシーズンとなる。
しかし大西洋上に残る貴重な植生の観察,自然を満喫し,素朴な島の民俗文化に触れる旅行なら,年間を通じて目的にそえる。
チーズや人気上昇の「溶岩ワイン」など地方色豊かな味が楽しめるのは,むしろ海辺のレストランにも静けさが戻る9月以後がベストとなるだろう。