経済・文化の中心都市
面積が747kuとアゾレス諸島では最大の島で,アメリカとヨーロッパ大陸を結ぶ交易の要衝として重要な拠点でもあった。
たばこ,茶,チコリ,砂糖大根,パイナップルといった農作物が島の主要産業となっている。緑豊かな美しさから「緑の島」と呼ばれ人口も集中している。観光施設も最も充実し,サン・ミゲル島南岸の町ボンタ・デルガーダは,1975年に大学も創設されアゾレス諸島の政治・経済・文化の中心となっている。
教会の多い町並みは,海から望むととりわけ印象深い。
港の防波堤際に1553年につくられたサン・ブラス砦の後方に,かつて修道院だった病院付属のサン・ジョゼ教会がある。
17世紀の建築で,ポルトガル,オランダのタイルが施されている。ヒスパノーメキシカン美術の影響も見られ,ファサードが美しい。教区教会のサン・セバスティアン教会は,1533年の建立だが,その後改装され,マヌエル様式の装飾が随所に見られる。チャペルのアズレージョが美しいサント・アンドレ修道院は,現在はカルロス・マシャード博物館として,民俗,文化,自然史のコレクションが展示されている。
ボンタ・デルガーダの北西約17km,島西端の「7つの町の湖 Lagoa das Sete Cidades は,火山の噴火で出来た美しい湖。噴火前は7つの町があったことから名づけられた。
追放となったスペインの司教が町を沈めたという言い伝えがある。∞形に並んだ2つの湖,ラゴア・ヴェルデ(緑の湖)とラゴア・アズル(青の湖)からなり,2つの湖の異なる水の色は,恋を引き裂かれた王女と
羊飼いの落とした涙だと伝えられている。
北岸の町リベイラ・グランデ周辺には,初期の入植者がつくった水車が多く見られ,その南は火口地帯で,温水が湧き出る。
島の東フルナスの谷は,クレーターの中の温泉リゾートで,吹き出す温泉が見もの。