概要
ローマ帝国時代に建設された時代の城壁。
現在のニューキャッスルからカーライル北部にかけて東西に延び、全長はおよそ120kmに及ぶ。

ケルト人の侵入に苦しんだハドリアヌス帝が防御のために122年からおよそ10年間かけて建設したもので、拡大政策を進めてきたローマ帝国の転換期を物語っている。土塁を石で補強した壁は厚さ約3m、高さは約5mあったと推定される。
142年にアントニヌス帝がここから北方約160kmのところに防塁を築いたが、後にこの長城まで撤退している。
ローマの影響が去ってからも、この長城はイングランドとスコットランドの境界線として認識されていた。

1987年に世界遺産に登録され、2005年にはドイツのリーメスの長城跡と合わせて「ローマ帝国の国境線」として登録名称が変更されている。kbt