概要
ネヴシェヒルNevsehirから東に12kmある人口2000人の村。
ギョレメ国立公園Goreme National Parkに囲まれている.
村を包囲してするように「妖精煙突」が林立している。
今日もなお岩壁を掘って造った家に住む人々がいて、住居や倉庫として利用し、過去からの生活様式を何ら変える事なく岩と共に暮らしている。
岩をくり貫いた洞窟レストランやホテルもあり、観光客に人気が高い。

カッパドキアのほかの集落のように目につきにくい場所にあるとは言い難く、アラブの襲撃では村人の多くを失っている。
ギョレメ村と近郊には5つの教会があり、これらのうち最大のものは6世紀、もしくは7世紀に建設されたと思われるドゥルムシカディル教会で、大きな柱と説教壇を備えて保存状態も非常に良い。
それ以外、アラブの襲撃の後にあたる10〜11世紀にもエスフ・コチ教会が造営されている。
さらに、約40分程の距離にあるカラブルット教会も同時期に造られたものだ。

1980年代からの旅行ブームでカッパドキアの中心的存在として急速に発展してきた。
とりわけ、小さなホテルやペンションが多いこの地区は、若者に人気がある。
村から東へ1kmのところにはギョレメ野外博物館Goreme Ac1k Hava Muzesiがある。
多くのツアーでここを訪れる。


アクセス
空路
イスタンブールからはカッパドキア地方へは2つのルートがある。
カイセリ空港 Kayseri
ネヴシェヒル空港 Nevsehir(トゥズキョイ Tuzkoyの町の北西約30km)
両空港とも、ギョレメへはシャトルバスが運行されている。
予約制になっているので、ホテルの予約の際にバスの予約もオーダーしておくといい。

バス
アンカラからの直通便が1日4〜6本運行されている。ネヴシェヒル経由になっている場合が多いので、下車するときに注意する。
カッパドキア内は主な町とは循環バスが30分間隔で運行されている。週末は1時間間隔。
バスの発着はバスターミナル(オトガル)。


見どころ
エル・ナザール教会El Nazar Kilise
テントを思わせる岩層の内部に設けられた教会で、煙突に似た形のキノコ岩を削って造られたもの。
ギョレメにて見られる同種の教会・修道院の中でも特徴のある珍しいもの。
10世紀に建築された教会の壁は崩壊し、フレスコ画も何百年もの時の中で風化して傷んではいるが、かっての美しさを彷彿とさせられる。
中央のドームには虹とその上を昇天するキリストが描かれている。
西のアーチには、吉報、訪問、献上が、南のアーチには誕生、東方の三人の博士、エジプトへの逃避などをテーマにフレスコ画が描かれており、その他にも黄泉の国へ、礫、洗礼、キリストの変容なども表現されている。
また、皇帝コンスタンチヌスと母御ヘレンの姿も図柄として用いられている。

ギョレメ野外博物館 Goreme Ac1k Hava Muzesi
ギョレメ村から約1kmのところにある。
岩を刻んで造られたビザンチン時代の一群の岩窟教会、礼拝堂、修道院遺跡がいくつもあり、遊歩道に沿ってその教会遺跡内部を見学できる。
ツアーなどで多くの人が小さい教会入口に集まってガイドの説明を聞いているため、渋滞し狭い入口を通って内部を見学するのに時間がかかる。
野外博物館として保護下にあるギョレメの岩窟教会は、食堂、居間等の設備を有して、9世紀以来、修道院生活の中心を成してきた。
数多くの教会の中で、6、7世紀に遡るものはたった一軒だけで、ギョレメ地方が本格的な発展を遂げた9世紀後半以降は概して小規模の教会が建設されており、内、10世紀のクルチラル教会とトカル教会はビザンチン芸術の美しい例として特筆に値する。
ビザンチン芸術の黄金期の代表的教会は、ストゥンル・キリセ(支柱の教会)があげられる。
装飾画に用いられた宗教的なシーンにしても建築様式にしても、他の教会とは完全に異質なもので、11世紀の貴族芸術を代表するものと言える。

おもな宗教建造物としては、
クズラル修道院
エルマル・キリセ
聖パルバラ教会
エランル教会
エスキ・トカル(旧トカル教会魁)
イェニ・トカル教会(新トカル教会)
カランルタ教会 (暗闇の教会)
チャクル教会
サクル教会
詳しくは[[こちら>/トルコ・ギョレメ野外博物館]]へ


その他の教会
サクル・キリセSakli Kilise(隠れた教会):
ヒクメッツ・プレイスHikmet's Placeの裏にとある。
アイヌル・キリセ Aynili Kilise
フルカタン・キリセ Firkatan Kilise
野外博物館を通り過ぎて丘を上っていきオルタヒサルOrtahisar方向に向かうと、右側に見えてくる。
ユスフ・コチュ・キリセシYusuf Koc Kilisesi
フレスコ画がたくさんある
カディル・ドゥルムシュ・キリセシKadir Durmus Kilisesi


ギョルギエンデレ渓谷
ギョレメ村とギョレメ野外博物館の間にのびる遊歩道を利用して行くことができる。
美しい妖精煙突と岩層で是非とも訪れてみたい谷の一つであるが、車の乗り入れは禁止されている。


クルチラルの谷
アクテペとギョレメ渓谷の間に位置するカバドキアで最も美しい谷のひとつだ。
徒歩でのみ入り込めるために訪れる者は少ない。
有名なクルチラル教会をはじめ、多くの岩窟教会がある。
「アイナル・キリセ」(鏡の教会)の名で親しまれるこの教会は、十文字の基礎の上に建ち、4本の柱をもつ10世紀の建物。。
中央のドームにはキリストの昇天が表現される他、聖書を記した4人の聖者も描かれている。カバドキア出身の宗教家や聖人が描かれているのも興味深い。


周辺の谷
ギュルデレGulludere(バラの谷)
ギョレメとチャヴシンGavusinの間。
ギュヴェルジンリクGuvercinlik(鳩の谷)
ギョレメとウチヒサールの間。
パルデレBallldere(蜜の谷)
ギョレメ村のうしろ
キリチュラル・ヴァドゥスKilic1ar Vadisi(剣の谷)
野外博物館の道をはずれたところを通る、
ゼミ(ラブ)渓谷 Zemi(Love)valley