サガラッソス遺跡(アーラスン村)Sagalassos

概要
サガラッソス遺跡は、エフェソス遺跡に匹敵する大規模で保存状態のいい遺跡。
アク・ダーAk Dagという「白い山」を意味する標高1450〜1700m)のぎざぎざの切り立った岩の山の麓の丘陵地帯の斜面に広がる古代都市遺跡。

サガラッソスはピシディア地方の主要都市として古くから栄え、その豊かさが災いしてアレクサンドロス大王に征服されたりもしたが、ローマ時代(特に五賢帝時代)に最盛期を迎える。
ビザンチン時代以降、度重なる大地震などの影響で放棄され、長らく土に埋もれていたが、1706年に再発見され、1880年代から発掘が始められた。
1990年からは、ベルギーの王家とルーヴェン・カトリック大学が、トルコと合同で本格的な発掘と復元を続けている。

マルクス・アウレリウス・アントニヌス帝の命で建立され、大地震で瓦礫と化していた縦9m、横28mの巨大なアントニヌスのニンフェウム(噴水を伴う泉水堂)の修復が2010年に完成し、1800年ぶりにその勇姿を見せ、水を再び噴出すようになった。
丘の斜面に広くうずもれた遺跡が散らばっており、まだまだ発掘には相当の時間がかかりそうだ。
遺跡は大きく2つのパートに分かれている。
駐車場のある入り口を入って先に進むと、左側にロウアー・アゴラ Lower Agora、右のきつい坂道を上るとアッパー・アゴラ Upper Aagoraとなる。

いずれへも道が凸凹で足場が悪いので、十分注意を払いながら進まないと転ぶ。
ロウアー・アゴラには、紀元180年頃の巨大なローマ時代の浴場が復元されている。
さらに階段を下りて行くとアントニウス・ピウスの神殿に着く。
アッパー・アゴラへ上がっていくと、アゴラの正面には巨大な噴水場があり、右手の丘
側には、古代ギリシャの会議場がある。

アッパー・アゴラをさらの上へ上がって行くと、9000席あるローマ時代の劇場がある。
度重なる地震で座席は崩れているところもある。
近くには後期ヘレニズム時代の噴水の邸宅や、床にモザイク模様の残るローマ時代の図書館がある。
サガラッソス遺跡で発掘された貴重な資料は、ブルドゥル Burdurの考古学博物館に展示されている。

サガラッソス遺跡の最寄りの村は7km下のアーラスンAglasun。伝統的な生活を守る村でオーガニック農業を村総出で行っている。緑豊かでトルコが原産のサクランボとコスメ用バラの産地だ。
マスの養殖も盛んで、村には数件のレストランがあり、マスやオーガニック野菜や果物の昼食をとることができる。


アクセス
交通機関の不便なところで、滞在費用や時間的効率のことを考えると、最寄りの大きな町からタクシーを利用するのが終日チャーターして日帰りするのがおすすめ。
1時間半南の地中海沿岸のアンタルヤAntalyaは長い滞在に適して町。
ボドルムの考古学博物館も合わせてみたい場合は、サガラッソスの北40kmのウスパルタ Ispartaがいい。
公共交通機関は、ウスパルタのチャルシュ・ターミナルGarsi Terminalからドルムシュがほぼ1時間間隔でアーラスンAglasunまである。
アーラスンAglasunからはタクシーで往復しないときつい。