概要 巡礼が絶えることのない預言者の町。単にウルフアとも呼ばれる。 南はシリアの乾燥高原に続き、夏は50℃にも及ぶトルコで最も暑い町。 近年は湿気もあるが、それはダム湖が原因ともいわれている。 預言者イブラヒムやヨプが生まれ、ゲオルギウスなどの聖者が住んだと伝えられることから「預言者の町」と呼ばれ、イブラヒムが生まれたという洞窟は今も巡礼者で賑わう。 BC1600年にフルリ人が城塞を築いて以降、諸勢力がこの要衝の町の支配を競った。 10世紀には十字軍が占拠するが、セルジュク朝に奪取され、16世紀初めにオスマン帝国領となり、ウルフアとなった。 地方色豊かなバザールなどは町の南端に集中する。 アクセス 空路: イスタンブールから週2便、1時間50分 バス: イスタンブールから17時間 アンカラから11時間 見どころ 城塞 ウル・ジャーミイ 1175年にキリスト教会跡に建てられた、八角形のミナレットを持つ、町最古のモスクである、 バルクルギョル・ジャーミイ 魚のいる池のモスク ルズヴァニュ・ジャーミイ イブラヒム生誕の洞窟 バザール ハラン Harran ウルフアの南約44km、月の神シン崇拝の中心だった村で、旧約聖書に登場する ハランは、BC3世紀以来の文化を維持していて、蜂の巣と呼ばれる丸い土の家が数多く残っており、内部を見られる家もある。 旧約聖書の創世記によると、イブラヒムは、ユーフラテス川下流にあるカルデイアのウル(現在のイラク)で生まれた。 「テラにはイブラム(イブラヒムの改名前の名)、ナホル、ハランが生まれた。ハランにはロトが生まれた。ハランは父のテラより先に故郷カルデイアのウルで死んだ」(創世記11章)「神の召命を受け、ユダヤ人の先祖で遊牧民のセム族の族長イブラヒムは、父テラとともにカナンを目指し途中のハランに寄留した。そしてテラはここで死んだ」(創世記11章、12章) こうしてハランは地上で最初の人類の定住地となったとされる。BC800年頃から、ハランと隣のソーマタルは宇宙神崇拝の中心であったが、月の神シンの神殿は382年にビザンティン皇帝テオドシウスが破壊し、城塞を築いた。メソポタミアから西、そして北西に延びる道の十字路にあたり、町の名にはトラベル、あるいはキャラバンの意味がある。 イスラムの隆盛を迎え、ウマイア朝最後のカリフ、マルワンUの治世下の首都として栄えるが、1260年モンゴルによって破壊された。 遺跡は石の荒野に残り、ミナレット兼天文台であった四角の塔が聳え、アーチの跡が残されている。gto |