概要
ユルギュプの約38km南にある2つの谷からなる地域。
アシャーウ・ソーアンル Asagi Soganli
ユカル・ソーアンル Yukari Soganlt
ほかの谷に比べて人気がないので、訪れる旅行者がギョレメ地区より少ない。
ギョレメからの日帰りツアーもある。
ここに見どころは2つの谷に点在する岩窟教会群である。
ローマ人たちの共同墓地とされていたが、初期キリスト教時代から人が住み着いた谷には9世紀〜13世紀の間に修道院や教会が造られ、多くの岩窟教会が点在するようになった。
当時の名高い画家達によるフレスコ画で彩られた教会、ただの岩の塊を、自然の美しさを生かして教会らしく外側から削ったドームのある教会群など、カバドキア全のなかでこの谷だけのものがみられる。


アクセス
直通のバスはどの地区からもないので、タクシーを利用するしかない。
ユルギュップやギョレメからは日帰りツアーがある。


ソーアンルの谷の主な教会
2つの谷分岐点になるところに案内板があり、この谷にあるすべての教会を記している。
北側の谷(右側)に特徴ある教会が集中している。いずれも徒歩圏にある。

ジャナワル教会:(怪物の教会)
一帯の多くの教会と同様、その名を聖ジョージが退治した龍(大蛇)に由来するこの教会も11世紀〜13世紀のフレスコ画をして、カバドキアの最も美しい教会の一つに挙げられている。
後陣には聖母とヨハネに囲まれたキリスト、使徒にパンとワインを分けるキリストが描かれている。
丸天井のアーチには詳細にわたる「最後の審判」が見られる。

カラバシ・キリセ Karabas Kilise:(褐色の頭の教会)
1060年〜1061年に建造されている。
長い碑文によるとコンスタンチン・ドカスの時代に造られ、当時の有名な画家によって装飾画が作成されたことがわかる。
深く削られた後陣の、使徒にパンとワインを分け与えるキリストの図が見どころだ。
キリストの生涯を、大天使ガブリエルや諸聖人と共に描かれている。キリストの誕生、献呈、礫、黄泉の国へ、などの場面が表現されている。

クッベリ・キリセKubbeli Kilise:(ドームの教会)
石造りの教会を見本にして円錐形の岩を削りながら造った3つの教会があり、特に銘角なドームは珍しい。谷底を渡った向かい斜面のかなり高いところにある。

サクル・キリセ Sakli Kilise:(隠れた教会)
「隠された教会」とは、近くに寄らないと、視界から隠れていることから付いた。
概して10世紀のフレスコ画で装飾される教会のうちで最も重要ななもの。
フレスコ画はかなり損傷が激しいが、聖ペテロと聖パウロが表現されており、共に描かれる皇帝ネロと拷問される二人の聖人、そしてその殺害の場面はカバドキアー帯でも稀に見られる珍しいテーマと言える。

ギョク・キリセ Gok Kilise:(空の教会)
谷底を渡った左側にある。
円柱で仕切られ後陣で終わる身廊が2つある。聖人たちの二重のフリーズ(彫刻を施した小壁)は損傷が進んでいる。

パルバラ教会

碑文から、11世紀の前半に建築されたことがわかる。
教会の保護者として登場するバシレウスは、一帯を支配した軍人でろった。
専門家達の論争の的となっている壁画は、あたかも映画のシーンの様にストーリー性があり、アルカイック期とギョレメの有名なストウンル教会群建設の間の過渡期に造られたとされている。
壁画にはエフェスの眠れる七人の聖者、キリストの誕生、黄泉の国へ、水をワインに、等も表現されている。

ユランル・キリセ Yilanli Kilise:(蛇の教会
北側の谷で一番高いところにある。
内部の左側に、蛇の絵がある。
ここのフレスコ画が丹念に黒い塗料で上塗りされている。おそらく絵を保護するためだったと思われている。