亜南極諸島 Sub-Antarctic Islands

亜南極諸島 Sub-Antarctic Islands

概要
南島の南の沖合い、南極に近い海域に分布するニュージーランド領の島々。
野鳥類をはじめ、さまざまな種類の貴重な生物が棲息するエリアとなっている。
1998年、アンティポデス諸島、オークランド諸島、キャンベル島、スネアズ諸島、バウンティ諸島は、「ニュージーランドの亜南極諸島」として、世界遺産に登録されている。


スネアズ諸島 Snares Islands
ニュージーランド南島の南の沖合い約200km。
およそ3.5平方kmのノースイースト島および周辺の小島で構成されている。
1791年にジョージ・バンクーバーによって発見された。
航海に困難が予想されたため、「罠(snears)」の名が付けられた。
これまで、あまり人に踏み込まれず、現在も原則として立ち入りが禁止されている。
そのため手つかずの自然が残り、野鳥の宝庫となっている。
この諸島の名前がつけられたスネアズ・ペンギンをはじめ、ハイイロミズナギドリなどの繁殖地となっている。kbt


バウンティ島 Bounty Islands
ダニーデン南東の沖合いに浮かぶ諸島。
1788年、後に「バウンティ号の反乱」で知られる武装船バウンティ号によって発見された。
かつてはアザラシの繁殖地であったが、狩猟によって一時は絶滅の危機に瀕した。
しかし、ニュージーランド政府の保護により棲息数は徐々に回復してきている。
ほかにもペンギンやアホウドリが数多く生息している。kbt


アンティボディス諸島 Antipodes Islands
スチュアート島の南東約650km。アンティポデス島を中心とした荒涼とした火山島で構成されている諸島群。
ペンギンやアホウドリなどの野鳥の繁殖地になっている。
英国のグリニッジ天文台のちょうど真裏の位置(対蹠=antipode)にあるとされて、この名前が付けられた。しかし、実際は少しずれていて、フランス北部の対蹠にあたる。kbt


オークランド諸島 Auckland Islands
スチュアート島の南の沖合いに位置し、オークランド島を中心とした島々で構成される。
1806年、英国の捕鯨船により発見され、その船長アブラハム・ブリストーの知人オークランド男爵の名が付けられた。
1850年には捕鯨基地設立のためオークランド島のポート・ロスにマオリ族の一団の定住が試みられたが失敗に終わっている。
沿岸の地形の起伏が激しい航海の難所であることから、過去にも多くの船が難破している。
ニュージーランド測候所の管理となった時期もあったが、まもなく閉鎖された。現在も無人島で、ニュージーランドアシカの繁殖地になっている。kbt


キャンベル島 Campbell Island
ニュージーランド領の最南部に位置する島。
1810年にフレデリック・ハッセルボローによって発見された。
かつて、この島を拠点として狩猟が盛んに行われたことから、アザラシはほぼ絶滅してしまった。
野生の牛や羊も棲息していたが、20世紀に絶滅している。
1995年まで測候所が置かれていたが、現在は無人島となっている。kbt