ハワイの伝統楽器
ハワイの音楽は神事や祭典の際に踊り(フラ)に合わせて演奏するためにあった。
19世紀に入って移民たちや船乗りから弦楽器が持ち込まれる以前は、身近にあるヤシや竹など比較的固い木質の樹木を使って打楽器が作られていた。
亜熱帯の海洋性気候で多雨の風土で育つヒョウタンなどウリ科の草木、
亜熱帯特有の色鮮やかな羽毛を持つ鳥類が多かったこと、捕鯨や漁業が盛んで鯨骨や魚類の皮が日常的に入手できたことなどでハワイ特有の打楽器が生まれていた。


現在も使われている伝統楽器
イプ ipu (ヒョウタンの太鼓)
イブ・ヘケIpu Heke
空洞にした大小のヒョウタン(イブ)をつなげた打楽器。
くびれの部分に紐を付けて手首に巻きつけ、もう一方の手で叩いたり地面に落として音を出す。

イブ・ヘケ・オレ Ipu Heke Ore
ヘケ・オレとはイブ・ヘケのヘケ(ヒョウタンの上部)がないという意味。
ヒョウタンの上部を切り落として作ったイプ。
片手で持ち、もう一方の手で叩く。


ウリ・ウリUli Uli
ヒョウタンノキ(ラアミア)の中に植物の種子などを入れ、
くびれの部分を握り、振ってシャカシャカ音を出すマラカスのような楽器。
カラフルな鳥の羽根で飾りつける。
1個、または2個一組にして使う。


パフ・フラ Pahu Hula
パフはココヤシまたはパンノキの幹をくりぬいて作った太鼓。
本来はサメの皮を張るが、現在は牛などの皮を使っている。
もともと神聖な儀式に使われていた楽器で、
パフ・フラを使うフラ(フラ・パフ)は最も聖なる踊りとして、神々やアリイのためだけに踊られルものであった

プ一二ウ Pu'uni
ココナッツシェルを使った小太鼓。
太ももにくくりつけて固定し、結びつけたひもの先端で叩く。


イリ・イリ 'ili'ili
石のカスタネット stone castanets
小石を片手に2個ずつ両手に持ち、指に挟み手の中で打ち合わせて音を出す。


プ・イリ Pu'ili
2本1組の竹の楽器。
握る部分を除いて細かい切れ目が入れてある。互いを打ち合ったり自分の体を叩いて音を出す。かつては1本で使用した。


カラ・アウ Kala'au
長さのちがう2本1組の細くて堅い木のスティックを打ち合って音を出す。
主に短い方で長い棒を叩く。
現在は同じ長さの棒を使うことが多く、位置や握り方を変えていろいろな音色を出している。


パパ・ヘヒ Papa hehi
足が乗る程度の板の下に棒をかませ、片足で踏み込んで音を出す。
フラダンサー(オーラパ)がカラ・アウとともに使う。


オへ・ハノ・イフ Ohe Hano Ihu
竹の鼻笛。
右の鼻穴に笛をあて、左の鼻穴は指でふさいで吹く。

オヘ・カー・エケエケ Ohe ka'eke'eke
長さの違う2本1組の竹を持ち、それぞれを地面へ垂直に落として音を出す。
太さ・長さの違う竹を使うことで音色を変える。

プ・カニ Pu Kani
ホラ貝の楽器
日本の山伏が使うものと同じ。
ハワイでの様々な儀式やルアウの幕開けなどに使用されている。