概要
ワイカネ/ワイアホレ Waikane/Waiahole

ともにカネオヘ湾の北端の地域にある小さな村。
ワイカネの「ワイ」は水、「カネ」はハワイアンが信じる神のひとりで、ワイカネとは、カネがハワイアンにとっての命綱である水を湧かせた場所としていた。
ワイアホレWaiaholeはワイカネ Waikaneの南側に隣接する村。
この一帯は雨が多く、養樹園やパパイヤ、バナナ農園、さらにタロイモ栽培などがおこなわれ、経済を支えている。
1970年代の半ばにワイアホレの大地主がリゾート開発会社と土地売却の交渉を開始。
これに反対したワイカネ/ワイアホレ地区のハワイアン、日系人農民たちが決起し、周辺のコミュニティーも巻き込んで猛烈な阻止運動を展開したことがあった。
闘争が長引くにつれ、開発反対派がカメハメハ・ハイウェイを封鎖するなど激化し、さらに州議会に押しかけてデモを行い、州史上最大の土地闘争に発展すると州政府が介入。土地を買い上げて農民たちにリースすることで落着するということが起きている。
地区の背後を走るコオラウ山脈の頂上内部には、ワイアホレ用水路が通っている。1912年に工事が始まり、堅い岩盤を掘削して1916年に完成したこのトンネルには、雨水や山脈の中を流れる豊富な地下水が集められる。
工事では日系人作業員たちが大きく貢献したため、ワイアホレ用水路はハワイ島のハマクア用水路、マウイ島のコホラ用水路と並んで、パイオニア日本人移民の記念碑とさえ呼ばれている。
ワイアホレ用水路の水は、コオラウ山脈の反対側の雨の少ない島の西部にあったサトウキビ耕作地に供給されていたが、1995年に耕地が閉鎖されると、ワイカネ/ワイアホレの農民たちから、余剰となった水を放出する要求が出された。用水の配給量がいくらか増加したことで、一時は絶滅しかかっていた小川の原生魚類や生物が復活の兆しをみせていた。しかしながら、水利権争議はまだ完全には解決していない。(参考資料:オアフ観光局)
ワイアホレにはワイアホレ・ポイ・ファクトリーがある。
週に2日しかオープンしていないが、周辺の畑で採れるポイ(タロイモ)を蒸してすり潰して糊状にしたハワイアンの伝統料理を売っている。
ここで食べられる店ではなく、道路に面してある小さな窓口でポイを注文する。
現地のフリーマガジンやガイドブックなどで紹介されてから話題になっている。

アクセス
車でパリPaliハイウェイで山を越えして、カイルアの町からノースショア方面へ海岸線を北に向けて進む。約45分。
ザ・バスTheBus
アラモアナセンターから55番で、約1時間10分、30分間隔。