スイスの名物料理いろいろ/スイスのワイン
スイス料理の特徴
基本的には、チーズとワインが料理に使われるのが共通している。
4つの言語を持つスイスでは、それぞれの言語圏によって隣接する国の影響を受けた料理の素材が使われている。
ドイツ語圏ではソーセージやレシュティ、イタリア語圏ではリゾットやピザ、パスタなどに特徴がある。
さらに、地理的条件などの自然環境によっても独特の料理がある。、
山岳地帯ではチーズやサラミなど保存性の高い食材を使った料理、湖畔の地域では淡水魚や名物のワインを使った料理などが知られる。


スイスのチーズ
スイスの料理にはチーズを使ったものだ多い。
それぞれ作られる地方の名前がそのままチーズの名前になっている。
主なチーズは:
エメンタール Emmental
硬めで、さっぱりとした味のチーズ

グリュイエール Gruyere
チーズフォンデュに使われるチーズ。
濃い味で、独特の酸味がある。

ラクレット Raclette
ヴァレー州名産のハードチーズで、直径50cmほどの大きな円盤タイプ
半分に切って、暖炉で暖め、中が解けてきたところを削りとって食べる。

スイスの地方料理
チーズ・フォンデュ Fondue Fromage/Kase Fondue
スイス全土で食べられている代表料理で、主に山岳地方で多く食べられている。
テーブルの上でほうろうの鍋を熱し、そこにチーズを白ワインで溶かし,小さく切ったパンを細長いフォーク状の串の先に刺して、熱くなっているチーズの中に入れてからめて食べる料理。
地域やレストランによって混ぜるチーズの種類や配合、ワインの分量などが異なるため、味にはバリエーションがある。

フォンデュ・ブルギニョンFondue Bourguignonne
ミート・フォンデュといわれるもの。
テーブルの上で油を熱した鍋での中で、フォークに刺した角切りした肉を揚げ、好みのソースをつけて食べる。
日本のお座敷天ぷらのイメージだ。

フォンデュ・シノワーズ Fondue Chinoise
中華風フォンデュの意味で、日本の観光客が多くなってきて広く観光客に広まっている。テーブルの上の鍋に熱したブイヨンスープの中に牛や豚などの薄切り肉をさっとくぐらせていろいろな薬味で食べるスイス風のシャブシャブ。

ラクレット Raclette
スイス全土で食べられているが、特に産地であるヴァレー州の山岳地方で多く食べられている。
大きな円盤状のチー時を半分に切って暖炉の火で暖め、ラクレットチーズをトロトロに溶けたところをナイフで削り取り、皿にそぎ落とし、それを茹でたジャガイモにからめて食べる。
ヴァレー州名産の大型のハードチーズ「のチーズを皿にのせ、茹でたジャガイモにからめて食べる料理。つけ合わせとしてピクルスやパールオニオンが定番です。直径40cmほどもあるチーズを半分に切って、ところに置き、切り口が溶けてきたら、その部分をそぎ落として食べるもの。
暖炉や薪窯などの前に石を積み、伝統的な方法でつくるレストランもある。
スキー場や冬の広場のマーケットの屋台などでは、専用卓上電熱器なども使われる。

レシュティ(レーシュティ)Roesti
主にドイツ語圏で多く食べられている。
ジャガイモを細切りにしてフライパンで炒め、パンケーキのような形にして表面がカリカリになるまでこんがりと焼いたもの。
ライスやパスタのように、料理の付け合わせとして添えられることもあるが、メイン料理としても食べられている。
目玉焼きやチーズを上にのせたり、ベーコンや玉葱を混ぜたりしているものもある。

ゲシュネッツェルテス Geschnetzeltes
チューリヒの名物料理。
薄切りの仔牛の肉をマッシュルームとともに味の濃いクリームソースで煮込んだもの。
ビーフストロガノフに似ている。
付け合せにはフライドポテトが多い。

ブラートヴルスト Bratwurst
主にドイツ語圏の地方で食べられる。
豚肉や牛肉のミンチ肉でつくった大きなソーセージ。
野外のパーティーの時やマーケットの屋台などではグリルしたものにお好みでマスタードをつけてパンと一緒にそのままかぶりついて食べる。

ベルナープラッテ Berner Platte
ベルン地方の名物料理。
牛肉、豚肉、鶏肉にソーセージベーコンなどの肉類とニンジン、ジャガイモ、キャベツなどの野菜を、塩胡椒で味付けしてよく煮込んだ洋風おでん。おでんのような汁はない。
ポトフに似ている。

カプンス Capuns
グラウビュンデン州の農民の素朴な料理。
小麦粉で練った団子のような生地に刻んだベーコンなどの具を入れ、フダンソウの大きな葉でロールキャベツのように巻いたもの。
クリームやチーズソースなどをかけて食べるスタイル。
日本人には少し重く感じるので、前菜として少量オーダーするといい。

ビュンドナーゲルシュテンズッペ Bundner Gerstensuppe
グラウビュンデン州の素朴なスープ。
この地方の特産でもあるベーコンや干し肉に、大麦と冬の前に細かくきって日干ししておく乾燥野菜を一緒にじっくり煮込んだもの。

■ビュンドナーフライシュ/ヴァリサー・トロッケンフライシュ
Bundnerfleisch / Walliser Trockenfleisch
アルプスを代表するグラウビュンデンとヴァレー(ヴァリス)の2つの州の特産品である乾燥肉。
スパイスなどを配合した調味料に漬けこんだ牛肉の塊を山小屋の軒下や屋根裏などに吊るして乾燥させてつくる。
固くなっている肉をカンナのような道具で薄くスライスしたものを、そのまま手でつまんで食べるか、バターを塗ったパンの上にのせて食べたりする。

アルペンマカロニ  Alpler Macaroni
主にドイツ語圏の山岳料理。
小さく切ってゆでたジャガイモとマカロニをチーズであえたもの。
アルプスの山小屋レストランなどの定番メニュー。カリカリにあげた玉ねぎをトッピング。
リンゴをすりおろした甘いソースを混ぜて食べることもある。

フィレ・ドゥ・ペルシュ Filet de Perche
レマン湖やヌーシャテル湖など、フランス語圏の湖でとれる小さな魚ペルシュPercheのフィレを3枚におろした片身を使いムニエルかフライにする淡白な白身魚料理。

パペ・ヴォードワ Papet Vaudois
レマン湖地方の名物料理。
炒めたポワロー(西洋ネギ)とタマネギに白ワインやブイヨンを加えて、マッシュポテトとクリームを足して一緒に煮込んだものの上に、ヴォー州名物の粗挽きのソーセージSaussion Vaudoisをのせて食べる。

ポレンタ Polenta
ティチーノ州の料理
トウモロコシの粉でつくる穀物粥の一種。
レストランでは固めておいたものを切って軽くあぶってメインの付け合わせ出すこともある。チーズやソースをかけて食べる。

(参考資料:スイス政府観光局)
スイスのワイン

スイスは26ある州のすべてでワイン産地が行われているが、生産量が少なく,国内で消費される量の約2倍のワインが輸入されている。
従って,外国にはあまり輸出される量は極めて少ない。
山間部の多い土地柄で、手入れや摘み取りなどに機械化ができず、大変な手間がかかるため、生産コストも高い。

種類は赤、白、ロゼ、スパークリング、それぞれに辛口から甘口まで幅広い。
特に白ワインは名物のチーズフォンデュなどにも使われているように消費量も多い。
各地域で栽培面積が限定的なため、ワインの銘柄はそれぞれの町や村が独自につけているため,それらを地域毎に分けて総称して呼ぶことが多い。

地域別ではスイス南西部のフランス語圏のレマン湖の北岸からローヌ川流域を東へ遡った地方でスイス全体の75%が栽培されている。
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