フーズム Husum

シュレースウィヒ‐ホルシュタイン州
人口:約23.000人

概要

ニーダーザクセン州にも同名の町ががある シュレースウィヒ‐ホルシュタイン州のフーズムは北海に面する港湾都市。 14世紀に木材の積出港として発展。 19世紀ドイツの詩人・小説家、テオドール・シュトルム(1817~88年)ゆかりの地であり、生家や記念館がある。シュトルムの胸像は宮殿庭園にある。
彼は「灰色をした海辺の街」と呼んだが、実際には3月下旬から4月上旬にかけてなど、400万本の紫のクロッカスがフーズムの城の庭園に無数に咲き誇る。
シュトルムのファンであれば、独創性に富んだ、北海海岸の堤防のある地方を舞台にした中編小説「デア・ジンメルライターDer Schimmelreiter(白馬の騎手)」などの作品が書かれた場所を訪れたいところだろう。
古典文学の目録に載るこの作品を通じてフーズムは後世に名を残すことになった。

世界自然遺産の干潟の海(ワッデン海)に臨むフーズムは、北海で休暇過ごす旅行者が好んで訪れる町である。
ハリゲンHalligen諸島への定期連絡船もここから出ている。

1362年から1634年までの地震や洪水、1962年の津波などの自然の大災害を経験し、堤防の構築と干拓(ポルダー)による再構築をし、マルクト広場を造成し、歴史的建造物を再生させ、文化都市としての評価を高めている。

フーズム観光案内所Husum Tourismus(Grosstrasse 27)では「フーズムの文化小径Kulturpfad der Stadt Husum」というトレールを作り、歴史的建造物を中心に32のスポットを巡るパンフレットを作成している。また、すべての博物館に入場できる、博物館共通チヶツトMuseumsverbundkarteが販売されている。便利な地図と主な見どころの解説がついている。
文化の径はマルクト広場の旧市庁舎が出発点で、多くが広場にある。
ほとんどテオドル・シュトルムが中心で、マルクト広場中央の噴水には、ティネという、シュトルムの小説に登場する、フリージア人女性の像が見られる。
隣接してl829年建造のマリエン教会 Marienkircheがある。
テオドール・シュトルムのいくつかの小説の中に登場している。
教会の塔は灯台の役目もしており、その中はほとんど飾りのないネオクラシック建築だ。
シュレースヴィッヒ・ホルシュタイン州でもっとも重要な建築物とされる。

フーズムへのアクセス

キール中央駅Kiel HbfからフーズムHusumまで普通列車REで1時間20分。ほぼ1時間間隔。

ハンブルグ・アルトナ駅Hamburg-AltonaからフーズムHusumまで普通列車REで2時間50分。
ほぼ1時間間隔。
特急ICでは2時間、ほぼ2時間間隔

周辺の見どころ

ハリゲン諸島 Die Halligen

幾世紀もの間、大潮によって形作られ、歪められ、ふたたび消滅させられてきた平坦な、ごく小さな島々で、シユレースヴィヒ・ホルシュタイン州の沖合の浅瀬の上にちらばっている。
中世の時代には、50あまりのハリゲンが存在していたが、海がそのほとんどを呑み込んでしまった。
船で回遊する価値がある(双眼鏡持参のこと)。ハリゲン諸島には、合わせて約400人が住んでいる。漁夫と農夫が主で、いわゆる「ヴァルフテンWarften」すなわち「居住可能な丘」に建てた藁葺小屋で暮らしている。またここはアザラシや海鳥の保護区となっている。ハリゲン諸島最大の島ラングネスLangenessでは塩が採れる。
この小島を1日周遊で訪れる程度だ。1番美しい観光所はハリッヒ・ホーゲHaliig Hoogeで、ここには1度デンマーク王が嵐から避難した際に使用した、見事なケーニヒスハウスKonigshaus (王の館)があり、青と白のタイル張りとバロック調の天井フレスコ画が見られる。ほかに人気のハリゲンには、ラングネスLangenessやクレーデGrodeがある。
フーズムからは、ヴィルヘルム・シュミート有限会社Wilhelm Schmid GmbH が、ハイシーズンの間、ハリゲンへのボート・ツアーを提供している。風の強い日にはかなりつらい。
船はフーズムの外港Aussenhafenから出発。アザラシの群生地になっている砂州を通り過ぎるコースもある。

ノルデ記念館 Nolde-Museum Seebull

フーズムの北56kmのゼービュルSeebulにある。
エーミール・ノルデという名前で知られる画家エーミール・ハンセンEmil Hansen (1867~1956)は、ドイツ表現主義の画家として最も傑出した人のひとりだが、1927年から1937年にかけて、彼は自分自身の設計でゼービュルに家を建てた。
潮の満干に囲まれた孤独の家であった。この家では彼の作品を展示しているが、毎年展示替えがされている。ただし、9枚の画布からなる連作キリストの生涯Leben Christiは常時展示されている。
彼の色彩は分厚く、激しく白熱して、フォルムを完全に破壊しているが、それはこの画家の不安と宗教的感動の表現である。

フリードリヒシュタット Friedrichstadt

フーズムの南15km、宗教上の理由で故国を追われ、ホルシュタイン侯爵フリードリヒ三世に迎えられたオランダ大たちが、1621年この町を造り、保護者の名前で呼んだ。緑を映す運河が縦横に走り、階段状あるいは渦巻型の切妻を持つ同じような家の並ぶ街路がまっすぐにのびていて、創設以来全<変らなかったように思える魅力的な風景を形作っている。

アイダー川の堰堤 Eidersperrwerk

フーズムの南に35km。鳥類保護区を迂回したあと、道はアイダー川の河口に着く。
1962年の壊滅的な高潮のあと、1967年から1972年にかけて、ここには河口を閉ざす堰堤が築かれた。
五つの巨大な鋼鉄の扉があり、気象条件が正常なときには開かれており、潮の満ち干が見られる。しかし嵐のときには閉じられて、海水がアイダー川に流れ込んで後背地に氾濫するのを防ぐ。















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