オスナブリュック Osnabruck

ニーザーザクセン州
人口 約17万人

概要

広大な緑地で包み込まれた自然公園の中心部にあるドイツ唯一の都市とされている。
人口の1割を大学生が占める大学の街として活気の満ちた美しい街だ。

オスナブリュックと近郊のミュンスター(ノルトライン・ヴェストファーレン州)は、この2つの州にまたがるヴェストファーレン地方という。

カトリックとプロテスタントの宗教対立がきっかけとなって起きた三十年戦争に終止符を打ち、「ヴェストファリア条約」(1648年)が締結されたのがオスナブリュックの街なのである。
これによりオスナブリュックとミュンスターは平和条約が締結された平和都市として世界歴史にその名を刻んだのである。
講和会議の場に選ばれたのは、1512年に完成した、後期ゴシック様式の市庁舎で、講和会議の使節や領主たち42人の肖像画が掲げられた「平和の間」が、見どころとなっている。

この町からは、作家エーリッヒ・マリア・レマルクが生まれている。
反戦小説として有名な「西部戦線異状なし」や「凱旋門」、「愛するときと死するとき」の長編三部作は、今も世界で幅広く読み継がれている。  
レマルクを記念する平和センターが設立されていて、その生涯を紹介する展示も行っている。2年に1度贈られる市の平和賞は、彼の名前を冠している。

米国人建築家ダニエル・リベスキントは、アウシュヴィッツ強制収容所で殺されたオスナブリュック生まれのドイツ・ユダヤ人画家、フェリックス・ヌスバウムのことを記憶に留めるために、フェリックス・ヌスバウム・ハウス「忘れ去らないための部屋」が建設された。フェリックス・ヌスバウムの絵が展示されている。

オスナブリュックへのアクセス

オスナブリュック Osnabruck Hbf へは
ハンブルグ Hamburg Hbf からIC特急で約1時間50分
ケルン Koeln HbfからIC特急で約2時間15分

オスナブリュックの市街地

中心となるのはマルクト広場、市庁舎をはじめ見どころが集まっている。
旧市街全体に「シュタインヴェルク(石屋作り)」と呼ばれる中世独特の建築様式の家が多い。中世時代から耐火建築材として石が用いられていた。当時のオスナブリュックの商人の繁栄ぶりを物語っている。

オスナブリュックの見どころ

市庁舎 Rathaus

16世紀初頭のものであった市庁舎は戦後建て直され、ゴシック様式を取り戻した。
1648年の平和が人々に告げられたのは、この市庁舎の正面階段からであった。
入口の上には、カール大帝の彫像を囲んで8人の皇帝と国王の彫像が並んでいる。
平和の間 Friedenssaal
平和交渉が進められた広間は、国家元首や交渉代理人たちの肖像に飾られている。
天井と床は復元されたもの。彫刻を施した木の椅子(1554年)や同じ時代のシヤンデリ アは本物である。
財宝室には、数ある金銀細工のなかでも、皇帝杯Kaiserpokalと呼ばれる精巧な大杯(14世紀)が保存されている。

聖母マリア教会 Marienkirche

この教会は建物を横断する優雅な切妻造りによって、マルクト広場の北側をふさぐ形で建っている。
14世紀ゴシック様式のホール式教会。
最もみごとな芸術作品は、アントワープの工房作のキリスト受難の祭壇画 Passionsaltar (I6世紀初頭)である。
高さ40mの塔の展望台からは市街地が一望できる。

聖ペトロ大聖堂 Dom St.Peter

旧市街の中心にあるカトリック派の聖堂で、8世紀末に礎石が置かれ、現在の姿はロマネスクからゴシックへの過渡期(13世紀)の建物。
大きさも形も異なる塔、南西に重厚なつくりの塔、北西に細長い塔が特徴である。
第二次世界大戦中、塔の大部分が破壊されたが、その後修復された。
北の側面には、装飾アーケードと軒蛇腹からなる美しいロマネスク装飾が見られる。
内部は意外な構造をしている。後陣が平らで周歩廊が方形なのである。身廊のオジーヴ・ボールトは明らかにふくらみを見せている。合唱隊席の入ロアーチに13世紀初頭の十字架のキリスト像がかけられている。
周歩廊の礼拝室はいくつかの芸術作品に飾られている。とりわけ注目に値するのは、15世紀のピエタと16世紀の石彫りのキリスト磔刑像である。トランセプト(翼廊)右側の袖廊から入る不規則な形のロマネスク様式内庭回廊から見た塔の眺めは美しい。

聖ヨハネス教会 Johanniskirche

13世紀ゴシック様式のこのホール式教会は、新市街の小教区教会の役を果たしていた。
この教会ではいっさいの建築的・装飾的効果が、必要不可欠なものだけに組織的に限定されている。キリスト受難の情景を描いた主祭壇の濃い色の木を用いた祭壇画は、1512年の作品である。内庭回廊は非常に細長く、墓地の役も果たしていた。

フェリックス・ヌスバウムハウス Felix Nussbaum Haus

旧市街地の中心部にある美術館。
米国人建築家ダニエル・リベスキントの設計によって建てられた。
館内には、1944年にアウシュヴィッツで殺された、オスナブリュック出身のユダヤ人芸術家フェリックス・ヌスバウムの生涯と作品が多数展示されている。

周辺の見どころ

テックレンブルク Tecklenburg

南西に23km。車で約1時間30分。
トイトブルクの森の頂に位置し、木骨組の家屋が多いので、訪れる人々の多い絵のように美しい町である。中央広場を通ってさらに西のほう、「レッゲLegge」と呼ばれる門 をくぐって行くと、城のふもとに最も古い区域がある。
城の遺構として残っているのは、ルネサンス様式の門と物見の塔だけである。















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