フランクフルト・アム・マイン Frankfurt am Main

ヘッセン州
人口:約76万人

概要

ライン支流のマイン川に面している国際金融都市で、ドイツ証券取引所、ドイツ連邦銀行、ユーロ通貨の発行元の欧州中央銀行の所在地である。
歴史ある町並み保護しながらも、活発な経済活動を支える高層ビル群が旧市街を取り囲んでいる。

国際見本市の開催地としても有名で、とりわけ世界最大のブックフェア、日用品フェア、楽器フェアなど歴史ある重要な見本市に加え、自動車やハイテク関係の見本市も年々大型化している。

旺盛な経済により生み出されう豊かな富は、芸術の支援にもにも投じられ、1980年代以降に美術館博物館も増え、ベルリンに次ぐ美術館の集まる町となっている。

また、この街は文豪ゲーテが生まれた地ではあるが、観光の対象となる場所は限られているので、ドイツの他の地方の著名な観光地を周囲に控えているところではインパクトの強い物は探しにくい。
日本からの旅行者の多くは、周辺のハイデルベルグやライン川などへ行ってしまい、ここは単なるゲートウエイ都市として空港を利用するだけで素通りしてしまうことが多い。
旅行期間の短いツアーでもフランクフルトに宿泊するものはほとんどない。ビジネスの往来が多く、大きな見本市が相次いで開催されている都市で、季節を問わずホテルを確保するのも難しいところでもある。
フランクフルトに少し滞在する余裕があれば、マイン左岸の博物館通りの裏一帯を指すザクセンハウゼン地区 Sachsenhausen の、ワインレストランやバーが軒を連ねる情緒あふれるいわゆる下町の探訪がおすすめだ。
ライン、モーゼル、フランケンとドイツ3大ワインを味わえるところだ。
名物のリンゴをしぼって軽く発酵させたアップルワインを求めて集まる地元っ子も多い。

ラインのリバークルーズや、ライン河畔のリューデスハイムへの半日ツアーで、ドイツの伝統料理を楽しむもいい。

アクセス

空路

日本から直行便が成田、名古屋、関西の各空港からルフトハンザ・ドイツ航空(LH)、日本航空、全日空の便がほぼ毎日発着する。
ドイツ最大の金融経済の中心としとして、ドイツ国内線および欧州各都市からの便が頻繁に発着する。
(ご注意)
ヨーロッパの他の国からの格安航空会社便には、フランクフルト行きでも、別なフランクフルト空港への便もある。
フランクフルト・ハーン空港 Frankfurt-Hahn Airportで、フランクフルト・アム・マインから110km離れて、むしろコプレンツKoblenzに近い。
フランクフルト市内へは、バスで1時間45分かかる。

空港

フランクフルト国際空港見取図


フランクフルト国際空港Frankfurt International Airport(空港コード:FRA)
市の南西約12km。
ターミナルが1と2に分かれており、スカイラインと呼ばれる高架線で結ばれている。
ターミナル1は出発・到着ホールがA、B、Cに区域分けれれている。
ルフトハンザ・ドイツ航空とスター・アライアンス・グループの便が発着するターミナル2は出発・到着ホールがD,Eになっている。
両ターミナルとも乗り継ぎが大変複雑で、乗り継ぎ便名をしっかり覚えておかないと無駄に遠回りや、余計な検査をしなければならなくなる。
特に日本から直行する便の場合には、航空会社によりターミナルも異なるが、いずれも機内から出たらすぐに、次の便の表示を見つけて⇒方向に進む。決して前の人になんかついて行かないことだ。ツアーの団体などはここで降りてバス移動する場合が多い。
市内やドイツ国内各都市へ鉄道を利用する場合には、市内・近距離と長距離(ICE,ICなど)により駅が異なる。
空港から中央駅への列車(Sバーン)はターミナル1のホールBの地下駅から。
特急ICE,ICなど長距離列車と近郊列車が発着するホームはメインターミナルビルと連絡通路でつながっている。標識に従って、エスカレーターやエレベーターを使ってそれぞれの駅への通路に進む。
長距離列車と近郊列車のホームは別々になっている。
(フランクフルト市内へのアクセス)
空港ターミナル1のホールBの地下駅と中央駅Frankfurt a/M Hbf.間はSバーンで、20分、15分間隔。中央駅は8番線が空港発着専用ホーム。ただし、列車によってはその先のオッフェンバッハまで行くので、このホームからすべてが空港へというわけではない。

鉄道

フランクフルト中央駅Frankfurt a/M Hbf.はターミナルタイプの終点駅となっており、南から北への便はここで折り返し運転となるため、10分前後停車する。
フランクフルト四方に特急ICEの新幹線専用線ルートがあり、大都市間を短時間で結んでいる。
中央駅発着の列車がすべて空港駅を経由するわけではない。南からライン川沿いに北へ向かうドルトムント方面行きなどはフランクフルト中央駅を経由しない。

バス

ドイツの長距離輸送は鉄道に集中しているため、国内の大都市間のバス輸送はない。 主にヨーロッパ各地へ向かうもの。
ユーロラインズ・オフィスEuro1ines Office。
数少ない国内線は鉄道の不便な観光ルートであるロマンティック街道を通ってバイエルン地方へ行くものだけである。
ドイチェ・ツアリングDeutsche Touringが運行している。
季節により、ミュンヘン行きとフュッセン行きがあり、ローテンブルグで乗換える。

フランクフルト市内の交通機関

Sバーン,Uバーン、路面電車、バスがある。
運賃やチケット共通。
チケットの種類
普通乗車券(赤色) 制限時間内は一方方向には途中乗降自由。
1日乗車券 Tageskarte (黄色)
1日乗車券 Gruppentageskarte (大人2人、子供3人の5人まで)(青色)

フランクフルトカード(Frankfurt Card)
(ツーリストインフォメーションのみで発売)1日券、2日券、それぞれ1人とグループがあり、市内約20ヶ所の博物館入場料が50%割引などの特典がある。

チケットの買い方
駅や停留所に自動販売機がある。バスではない停留所では運転手から購入。
すべての駅に番号が付いているので、その番号を押す。
ただし、フランクフルト市内は均一で、番号を押す必要はない。
空港の場合には、飛行機のマークのあるキーを押す。
Sバーンの駅へは1・2等の選択をする。
確定ボタンを押すと、金額が表示されるので、その金額を挿入。高額紙幣(50ユーロ)は不可。

改札 鉄道もバスも改札は、自主的に備え付けの時刻印字パンチにチケットを挿入する。
鉄道は駅ホームまたは直前に、路面電車、バスは車内のドア近くの柱に設置してある。
押し忘れて乗車すると、車内検札で無賃乗車とみなされ罰金を科せられる。旅行者という言い訳は効かない。

りんご酒電車(エッベルヴァイ・エクスプレス)Ebbelwei-Express

土曜・日曜、祭日に路面電車で改造した観光電車。
リンゴ酒とつまみのプレッツェル付き。
車内はさながら居酒屋風で、みんな陽ほどににぎやかになる。
市内の主要な観光ポイントを経由する。およそ2時間で一周する。
夏期は午後5-7回(40-60分ごと)に運行される。冬期は日曜1回だけ。

フランクフルト市街地

マイン川が東西に流れ、旧市街地区は北側で、博物館の集中するシャウマインカイSchaumainkai地区やザクセンハウゼンSachsenhausen地区はマイン川南岸になる。

ツァイル通りが一番のショッピング街となっている。中でも「マイツァイル」はガラス張りの6階建てショッピングモールで100店のテナントが入っている。

フランクフルト中央駅は町の西寄りにあり、駅正面のカイザー通りKaiserstrasseを800mほど進むと旧市街になる。
旧市街のどの通りも緩やかなカーブがあり、方向感覚がちがってくることがあるから、地図を見ながら歩くといい。
カイザー通りの左側は、大変治安の悪い地区で、ピンクゾーンになっている。街角には娼婦が立ち、セックスショップは建ち並び、麻薬常習者やゲイがうようよしている。女性は決して立ち入ってはいけないところで、カモになれること請け合いだ。

フランクフルトの見どころ

ゲーテハウス・ゲーテ博物館 Goethehaus

1749年8月28日に詩人ゲーテが生まれ、その後1765年にライプチッヒ大学に入学するまで過ごした家。
館内にはゲーテ直筆の原稿や肖像画が展示されているほか、オリジナルの調度品など、当時の貴族の趣味や生活を垣間見ることができる。

レーマー広場 Romerberg

市の中心にある広場。
3軒の赤い石造りのレーマーと呼ばれる旧市庁舎 Romer など14世紀から15世紀の建物が修復保存されている。
旧市庁舎の中には皇帝の間があるが、これは皇帝が戴冠式を行った広間だ。
12月のクリスマス市はここは華やかになる。

マインタワー Main Tower

高さ200mで、一般公開されている展望階のある唯一の高層建築だ。

メッセタワー Messeturm

高さ256m

コメルツパンク・タワーCommerzbank Tower

高さ258mでカイザー広場にるヨーロッパで最も高いビルで、アンテナ部分を含めると298mある。

ヘニンガー塔 Hennlnger Turm

ザクセンハウゼンにある高さ120mの塔で、最近の相次ぐ高層ビルが立つ前には、ここが最も高い展望だった。
ビール会社の塔で、最上階にレストランがある。

フランクフルタ一大聖堂 Frankturter Dom

正式名は聖パルトロメーウス教会St.Baltho1omauskirche。
15世紀のゴシック様式の高さ95mの塔が際だつ大聖堂は1944年の爆撃後も残った数少ない建築物の一つだ。

ドーム博物館 Dom-Museum

ゴシック様式の回廊の保存された部分を利用して作られている。

歴史博物館 Historisches Museum

このあたりの最初の集落から現在に至るまでの、フランクフルト市の歴史を解説している。

モダンアート美術館 Museum fur Moderne Kunst

ウィーンの建築家ハンス・ホラインHans Holleinの設計になる建物。
狭い三角形状の敷地に船のような形をしていて、建物そのものがアートしているようだ
現代美術のなかでもニューヨーク派の芸術家たちの作品がよく集められている。

聖レオンハルト教会 Leonhardskircho

15、16世紀のゴシック建築で東側に当時の8角形の塔が残っている。

聖パウル教会 Paulskilche

1848年の3月革命後、第1回国民議会(184B~1849年)がこの円形屋根の教会で開かれた。

聖母マリア教会 Liebfrauenkirche

14世紀にゴシック様式のホール式教会として建てられたこの教会、
現在はカプチン会修道院所属の教会となっている。

ユダヤ博物館 Judisches Museum

ロスチャイルド家の邸宅Rothschlld-Palais(1821年)内にある。
フランクフルトにはユダヤ人が多く住んでいて、戦前にはその数およそ3万5000人とヨーロッパ最大規模のコミュニティだった
そのユダヤ人たちがナチスによって迫害、殺害、追放された有名な話を詳しく伝えている。

ユダヤ人街博物館 Museum Judengasse

ユダヤ博物館の新館で、旧市街の城壁の北東沿いにある。
この博物館の展示には、ナチスによって破壊されたユダヤ人街の宗教儀礼用沐浴場や民家の遺物がある。
裏手には、ユダヤ人墓地の西の壁がある。ここには、ホロコーストで殺害されたフランクフルト生まれのユダヤ人全員の名を記した金属の立方体を埋め込んだ慰霊碑がある。

エクスプローラ博物館

ファミリー向きの科学テクノロジー博物館
http://www.exploramuseum.de

ラウシヤー夫人の噴水 Frau Rauscher Brunnen

意地の悪そうなおばさん像。
ザクセンハウゼンのクラッパー小路Klappergasseにあり、定期的に道路へ約10m水を噴き出す。

ゲイ&レズビアンの記念碑

ヨーロッパで3つしかない記念碑のうちの1つ。
第二次世界大戦中にナチスに迫害され殺害された多くの同性愛者たちに捧げられたものだという。

ゼンケンペルク自然博物館 Naturmuseum Senckenberg

デイブロドクス、イグアノドン、トリケラトブス、ステゴサウルス、プラテオサウルスといった中生代の巨大恐竜の骨(現物とモールデインクの両方)を展示。
ポッケンハイマ一通りBockenheimerLandstrasse

マイン川南岸の博物館・美術館

マイン川南岸(左岸)のシャウマインカイSchaumainkaiのアイゼルナー・シュテークEiserner Stegからフリーデンス(平和)橋Friedensbruckeまでに集中して建てられている。
別名フランクフルトの博物館河岸Museumsuferと呼ばれている。
いずれもあまり期待しない方がいい。

シュテーデル美術館 Stadelches Kunstinstitut/
市立美術館 Stadtische GaIerie

銀行家のシュテーデルの所蔵していた12世紀から20世紀までの絵画を展示する。
ぜひ押さえておきたい3点は、
フェルメールの「地質学者」(フェルメールの男性の単独像2枚のうちの1枚)(1669年)
ボッティチェッリの「女性の肖像」(1480年)
ティッシュバインの「カンパーニャのゲート」(ゲーテが南イタリア旅行をした時を描いた作品)(1787年)
http://www.staedelmuseum.de

ドイツ建築博物館Deutsches Archltekturmusoum

http://www.dam-online.de

ドイツ映画博物館 Deutsches Filmmuseum

映画史初期の様々な発明品が展示されている。
エディソンのキネトグラフ(1899年)、フランスの写真技術者リュミエール兄弟のシネマトグラフ(撮影機・映写機)(1894年)のコピーなどなども展示。
http://www.deutsches-filmmuseum.de

通信博物館 Musoum fur Kommunikation

当初から最新技術に至るまでの通信の歴史を、歴史全体の流れのなかで解説

イコン博物館 Ikonen-Museum

ロシア宗教画のコレクションを所蔵している。隣にロシア教会gaaru.
http://www.ikonenmuseumfrankfurt.de

デザイン美術館 Museum fur Angewandte Kunst/

美術工芸博物館 Museum fur Kunsthandwerk


民族博物館Museum der Weltkulturen

比較民族学や個々の民族をテーマにした特別展のみを開催。
コレクションの重点地域は、南アメリカ、特にボリビア、スマトラ、プロレス、東インドネシア、中央アフリカ、エチオピア、パプア・ニューギニアなど。
http://www.mdw.frankfurt.de

リーピークハウス美術館 Llebieghaus Museum/古代彫刻博物館

古代エジプトからバロック、ルネッサンスの、さまざまな文化圏からの彫刻美術作品の名作を集めてある。

ギールシュ美術館 Haus Giersch Museum

地域芸術美術館Regionale Kunst
http://www.hausgiersch.de
ヘッセン州の芸術家たちの常設展。

フランクフルト周辺の見どころ

バート・ホンプルク・フォン・デア・ヘーエ Bad Homburg von der Hohe

フランクフルトの奥座敷で、温泉保養地となっていて、豪華なこじんまりしたホテルが点在する。
小さな湯治の町だったが、1840年、カジノが設けられ、一躍ヨーロッパの大ギャンブル町となったが1872年、カジノは閉鎖静かな保養地となった。
高い白い塔がそそり立つ宮殿は、1680年から1866年までヘッセン・ホンブルク方伯の居城となり、その後、1871年のヴイルヘルムー世以来ドイツ皇帝となったプロイセン王の夏の別荘となっていた。

オッフェンバッハ Oftenbach

フランクフルトの東7km。
マイン川nの左岸になり、ドイツの皮革産業の中心地。
年に2回、国際皮革製品見本市が開かれる。
フランクフルト通りFrankfurter Strasse86番地にあるドイツ皮革博物館 Deutsches Ledermuseumには世界でも例を見ない皮革、羊皮紙、毛皮のコレクションを展示している。

フリードベルク Friedberg

フランクフルトの北28km。
フリードベルクの町には、二つの歴史的中心部がある。
一つは城塞内部、もう一つは市民の生活圏で、両者はにぎやかなカイザー通り(皇帝通り)KaiserStrasseで結ばれている。
町の教会Stadtkircheは、側廊の上に、ヘッセン地方の伝統的な屋根を持ち、正面の塔はゴシック様式の円天井アーチの上に載っている。
シュタウファー城Stauferburg(1180年頃)
アードルフ塔 Adolphsturm(1347年)がそびえ立つ城、
ユダヤ人風呂Judenbad
市民の町の中のユタヤ人小路Judengasse 20番地にある。
丸屋根のついた正方形の井戸(13世紀)である。
この井戸は、女性の儀式的な沐浴に使用された。急な階段(74段、きつい)を降りると、井戸の縦穴25mの深さのところで水面に行き着く。

タウヌス Der Taunus

フランクフルト北西の森に覆われた丘陵地帯で鉱泉に富む地。
グローサー・フェルトベルクGrosser Feldberg(880m)が最高点。

ケーニッヒシュタイン・イム・タウヌス Konigsteinim Taunus

16世紀の城の廃墟が残る。
166段の城の塔からはケーニッヒシュタインの町とタウヌスの山々が展望できる。

グローサー・フェルトベルク Grosser Feldberg

この山には電気通信センターがあり、展望台から、パノラマが楽しめる。
北西にはウェスターヴアルトWesterwald山地の峰々、北東にはヴエツテラウ〉Vetterau低地、南東にはフランクフルトとその郊外の町が広がるマイン川下流の 平地を一望できる。

ザールプルク Saalburg

ローマ帝国時代の城砦を、ヴイルヘルム二世の命令により復興したもの。
中庭の建物は考古学博物館となっている。















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