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ドイツのワイン

ドイツワイン

ドイツのワインは白ワインが生産量83.1万klの全体の約80%、赤ワインが約20%となっており、ほかのワイン生産国は赤白の比率がほぼこの反対となっている。ドイツには現在約10万ヘクタール(24万エーカー)ほどのぶどう畑があるが、ラテン系の国とちがって、気温や日照時間が限られているため、ドイツはぶどう栽培の北限近くに位置し、北緯47度~52度の範囲内にある。厳しい気象条件にありながら、ワイン造りを可能にしたのが、太平洋のメキシコ暖流の影響と、川面により保温と反射効果、南斜面を上手に利用したためである。
ワインにはそれぞれの国に品質やラベル表示上の種々の規定があるが、ドイツにも細かな表示義務が存在する。ある1品種のぶどうがワインの原料の85%以上を占めていれば、そのぶどう品種名をラベルに表示されることを許される。

ドイツのワイン地域マップ

生産地

ドイツワインの主な生産地には、コンスタンツ湖(ボーデン湖)からはじまるライン河の本流とそこに流れる多くの支流域にある。生産地域は13に分けられ、それぞれの支流域はその川や地域の名称で呼ばれている。

13の生産地域

1、 アール Ahr
赤・白あり、ボン近くで合流するアール川流域地帯

2、 ミッテルライン Mittelrhein
ボンから南(上流)に向かってライン河沿い約100kmの地帯

3、 モーゼル・ザール・ルーヴァー Mosel-Saar-Ruwer
コブレンツでラインに合流するモーゼル川と支流のザール川、ルーヴァー川の流域地帯

4、 ラインガウ Rheingau
マイン川に面したホーホハイムと中流ライン近くのロルヒの間の地域。ドイツワインの中でもっとも高級ワインを生産する地域とされている。

5、 ナーエ Nahe
ナーエ川とその支流の両岸斜面で、ラインヘッセンとモーゼルの両地域を東西で挟まれている地域。バート・クロイツナッハが中心の町。

6、 ラインファルツ Rheinpfalz
北をラインヘッセン、南と西をフランスに囲まれた地域で生産量はドイツで最も多いところ。

7、 ラインヘッセン Rheinhessen
西はナーエ川、北と東はライン川に接した地域。ヴォルムス、アルツエイ、マインツ、ビンゲンの4つの町を結ぶ四角い地域に当る。ドイツ最大の生産地域となっている。

8、 フランケン Franken
マイン川と支流域斜面、中心都市はヴユルツブルグ緑色の袋状円盤形の壜が使われている。

9、 ヘシッシェ・ベルクシュトラーセ Hessische-bergstrass
ハイデルベルグの北の小さな地域

10, ヴユルテンベルク Wurttemberg
ネッカー川と支流の両岸斜面域、シュッツガルトが中心都市、ドイツ最大の赤ワイン生産地域で耕作面積の半分が赤ワイン。

11, バーデン Baden
ドイツ最南端の生産地域、ハイデルベルグの南からコンスタンツ湖までの細長い地域、黒い森地帯もここに含まれる。23%が赤ワイン。

12, ザーレ・ウンストルート Saale-Unstruit
ノイムブルグ周辺のザーレ渓谷への入口と、フライブルグ近郊のウイストルート川流域に位置する。

13, ザクセン Sachsen
赤・白あり、エルベ河畔のピルニッツ、レーデボイル、マイセン、ディースバール・ゾイスリッツに囲まれた45kmの小さな流域。

指定栽培地域は幾つかの「地区」に分かれている。
各地区はいくつかの集合畑または単一畑に分かれる。集合畑と単一畑は別のものである。集合畑の中に町々の単一畑があるのではなく、同一名の単一畑の大集合が集合畑である。

通常、ワイン名に村の名前をつけて呼ぶとが多く、○○○村の単一畑XXXから出来るワインは○○○XXXとなる。

ぶどうの品種

白・赤それぞれ以下のものがある。

白ワイン向けの品種

ミュラー・トウルガウ(Muller-Thurgau)
最も多く栽培されている.全体の23%

リースリング(Riesling)
いちばんプピュラーな品種で全体の22%

シルヴァーナー(Silvaner)

ケルナー(Kerner)

ショイレーベ(Scheurebe) 
デザートにあう。

グラウブルグンダー(ルーレンダー)(Rulander)

赤ワイン向けの品種

シュペートブルグンダー(Spartburgunder)
ピノ・ノワールのドイツ名

ポルトギーザー(Portgieser)

トロリンガー(Trollinger)

品質等級

ドイツワインの品質の区別は以下のようになっている。

ターフェルヴァイン(Tafelwein)テーブルワイン

クアリテーツヴァイン(Qualitatswein)クオリティワイン

ターフェルワイン

ドイッチャー・ターフェル・ヴァイン(日常消費用ワイン)
ラベルにドイッチャーの文字がなければドイツ産ぶどうを原料としていないかブレンドもの

ドイッチャーラント・ヴァイン

地酒テーブルワイン

クアリテーツヴァイン

上質ワイン(QmAワイン)
13の指定された栽培地域から生まれた地域的特性があるワイン。
補糖は許されているが、厳しい味覚テストに合格しなければ格付けランクされない。

肩書きワイン(QmPワイン)
13の指定地域に生まれた天然果汁のみから作られたワインで、補糖が許されていない。

QmPは収穫直前のエクセレ度により6段階に分かれている。
カビネート 
シュペートル
アウスレーゼ
ベーレンアウスレーゼ
アイスヴァイン
トロッケンベーレンアウスレーゼ

ドイツワインの甘辛の基準

ドイツのワイン法では、ワインの辛口または半辛口、甘口の基準が定められている。
辛口(Trochen)
ワインの中の残糖が1リットル中4g以下または残糖分がワイン1リットル中9g以下で、酸分が残糖分のグラム数から2gを引いた数値より大きい場合。

半辛口(Halb Trochen)
ワインの中の残糖が1リットル中18g以下で、酸分が残糖分のグラム数から10gを引いた数値より大きければラベルに半辛口と表示できる。

甘口(Suss)
ワイン1リットル中残糖が45g以上のもの。

なお、ドイツのワインの一人当たりの年間消費量は地域によって大きく異なるが、年間32本前後となっている。












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