シロス島 Syros

面積=83.6km2、
人口=約2万2000人

概要

アテネの南東144kmに位置する。キクラデス諸島の島の中で最もアテネ・ピレウス港に近い島。ミコノス島がすぐ東に位置する。
シロス島の主な町にエルムポリ Ermoupoli、アナ・シロス Ano Siros、ヴァリ Variがある。エルムポリは、キクラデス諸島の中心の町である。
島の中心地であるエルムポリでは、ベネチア様式の歴史ある美しい邸宅が残っている。

住民にはカトリック教徒が多く、島の中心都市エルムポリスを見下ろす丘の頂上には、それぞれカトリックとオーソドックス(正教)の教会が建っている。

シロス島は、ヨーロッパから、アテネ、コンスタンチノープル、アレクサンドリアや西アジアへの航路の途中の寄港地であり、ギリシア独立とともにその重要性はさらに増していた。
1821年以来、トルコ人に追われてヒオス島やクレタ島その他のエーゲ海の島々から逃れてきた何千人もの難民たちが、当時は人の住んでいなかったシロス湾沿岸に避難所を見出した。そして新しい町エルムポリが、徐々に形成されていった。その後、純粋にギリシアの町として、エルムポリは急速に発展し、1828年にはすでに人口1万4000を数えていた。

カトリック教徒が多いのは、十字軍時代にジェノヴァやヴェネツィアからの移住者が多かったためである。

19世紀末まで、繁栄がエルムポリを支配していた。海上取引、造船所、織物工場、製革工場、錬鉄製造業、船首像造りが、豊かで国際色に富んだブルジョア階級を生み出した。
当時の町の外観は、今日でも大部分そのまま残っている。

ネオ・クラシック様式によって、公共建築物や錬鉄製のバルコニーの付いた貴族の館が建てられ、エレガントな別荘も建てられた。この別荘には、船主や銀行家、裕福な貿易商が住んでいた。学校や印刷所、新聞社、そして文学サークルまでできるなかで、知的な気運も盛り上がってきた。カーニヴァル、芝居、オペラ、音楽会、舞踏会を通して、社交生活も盛んになった。
町のヴァポリア地区には美しい教会や、広場にある市庁舎やアポロ劇場をはじめとした新古典主義の建築物も残されている。

1893年、コリントス運河の開通でシロス島に深刻な打撃を与え、ピレアスがシロス島に取って代わることになった。

この島に短期の滞在ならエルムポリ市内の滞在がおすすめだが、長期の本格的リゾート滞在ならビーチ沿いのリゾート地がおすすめだが、食事の変化を求めるなら市街地の方が魅力的だ。リゾートにはアパートやコンドミニアムも多。

アクセス

シロス島をちょっと見てみたい向きには、ミコソス島からの日帰りができる。

ミコノス島から

所要時間片道45分から1時間、キクラデス諸島の間を週16便のフェリーが就航している。
冬季は半減する

アテネ・ピレウス港から

所要時間片道3時間30分
3社の船会社のフェリーが合計16便就航している。
冬季は半減する。

主な町

エルムポリ Ermoupoli

人口約15000.
ネオ=クラシック様式で、規則的な区画に基づいて建てられた新しい町。
港からはガイドゥニシ小島Gaidounissi (「ロバのいる島」の意味)が浮かんでいる。

プラティア・ミアウリス Platia Miaoulis
中心的広場。
大理石の舗装がなされたこの大きな長方形の広場に棕櫚の木々やテラスを広げたカフェが並ぶ。
広場には、地中海地方では一般的な夕べの散歩(ペリパトperipatoあるいはヴォルタvoltaとよばれる)をする人々の姿が見られる。
また野外音楽堂ではコンサートも開かれる。
ネオ=クラシック建築様式が、南面のアーケードや、1878年。市庁舎や裁判所に使われている建物が見られる。
 隣の広場には、ミラーノ・スカラ座を小さく複製したような、調和のとれた大理石製の劇場がある。これは、1862年にフランス人シャポーが作ったものである。
県庁地区(Nomarhia)
アポロノス通りApolonosが中心軸として通っている行政・オフィス地区には、19世紀の立派な建築群を残している。県庁舎、商工会議所、貴族の館(バルコニーに注目)などの建物がある。
 聖二コラオス教会(青いドームがある)に向かって登っていくと、ヴァポリアに着く。ここは、小湾を見下ろす美しい別荘の並ぶ地区である。

アノ・シロス Ano Siros

島を支配したヴェネツィア人やジェノヴァ人が、海賊から逃れるために13世紀、島の小高い場所にアノ・シロスの町を作り、そこにローマ・カトリックを定着させた。
カトリックは、トルコが島を占領した1537年以降も存続した。フランス王フランソワ一世とトルコ皇帝との「居留民保護協定」により、西方の宗教施設はフランスの保護下に置かれていたからである。
この町の修道院では裁判所の役割をつかさどり、学校や病院を運営していた。

現在の人口は約1500人 起伏の激しい曲がりくねった小路が筋状に走り、その小路に沿っていくつもの礼拝堂(カルメルの聖母)や修道院が建ち並んでいる
エルムポリからはタクシーが便利だが、徒歩ではオミル通りOmirouを抜け、階段を登って行く(往復45分)。

主なビーチ

キニ・ビーチ Kini Beach

エルムポリから西へバスで15分。
一番近いビーチでにぎわっている。

アゾリムノス・ビーチ Azolimnos Beach

エルムポリから、島の南部を時計回りに周回するバスで約10分ほど。

ヴァリ・ビーチ Vari Beach

シロス島南東部のビーチ。

メガス・ヤロス・ビーチ Megas Gialos Beach

シロス島最南部のビーチ。

ポセイドニア・ビーチ Poseidonia Beach

シロス島南西部のビーチ。周りには何もない。

アガソペス・ビーチ Agathopes Beach

シロス島南西部のビーチ。沖合の小島スヒノニシとストロギロが見える。

フィニカス・ビーチ Finikas Beach

シロス島南西部のビーチ。ビーチの規模は小さい。

ガリサス・ビーチ Galissas Beach

シロス島南西部のビーチで、ビーチは比較的広い。

















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