ドイツ/ハンブルグ・エリカ街道・北ドイツ
ハンブルク Hamburg †
人口約1700万人
- 正式名称は「自由ハンザ都市ハンブルク」。中世から続く「都市国家Stadtstaat」という伝統と誇りを保つ地位は変わらず、ドイツの一つの州と同格付けられている。
- ベルリンに次ぐドイツ第二の都市で、ドイツ最大、世界有数の港湾として、ロシアや北欧、東欧への国際的な貿易のゲートウェイとして繁栄している。
大規模なコンテナターミナルを擁し欧州ではロッテルダム港に次ぐ第2のの港湾である。
大きな港があっても、北海に注ぐエルベ川の河口から約100kmに位置している。
また報道メディアや保険業の中心地としての力もあり、ビジネスの儲け話に事欠かず、
、ドイツの富裕層が集まる都市となっている。
- 港町にありがちな危険は市街地にはなく、大都市でありながら、治安が行き届く洗練されたエレガンスと潤いのある街だ。
アルスター湖 Binnenaister を市内中央に抱えて水と緑豊かな公園が多いことから、開放感にあふれている。
- 裕福な都市には芸術文化も育つが、ハンブルグもご多分にもれず、第2次世界大戦による壊滅的被害にもかかわらず、その復興も早く、博物館美術館や、オペラ・コンサートホールなど文化施設も多く建設されてきた。
世界的に有名なバレエ団やミュージカルの公演なども毎日楽しめる文化プログラムも充実している。
- ビートルズがデビューを飾った街、あるいはブラームス、メンデルスゾーンといった作曲家が生まれた街でも知られている。
ドイツの若者が最も暮らしたい都市にあげる文化の都だ。
- ハンブルクという大都市は、行政上、7つの地区に分かれている。
中心となるのはアルスター湖に接するハンブルク・ミッテ区 Hamburg-Mitteで、その西側のアルトナ区 Altonaが歴史的な地区となる。
ドイツ各地への長距離列車はほとんどこのアルトナ駅Hamburg-Altonaを発着し、中央駅経由でベルリン、フランクフルト、ケルンなどの各地を結ぶ。
- 街のランドマークである、市庁舎 Rathaus を中心にショッピング街が広がっている。
メンケベルク通り Monckebergstr. でデザイナーズブランドを探したり、10ヶ所もある個性的なパッサージュでおしゃれな雑貨店やカフェをのぞいてみるのも楽しい。
一方、活気ある港界隈では、ハンブルク港に行き来する1万トンクラスの大型船を遊覧船に乗って眺めるという楽しみ方もできる。
- 大きな港湾施設に出入りする貨物船がそれだけ、船乗りの数も多く、久しぶりに丘に上がったたくましい男どもの欲求を満たすようなケバケバしい繁華街も他の港町の比ではない。それはオランダ・アムステルダムなどをはるかにしのいでいる。
そのメッカとなっているのが「レーパーバーン Reeperbahn大通り」で、「世界で最も罪深い1マイル」と称されている。さながらセックス処理工場のようだ。
興味があっても、女性が好学のために散策するのはいたって危険である。
アクセス †
- 空路:
ドイツ国内、欧州内主要都市の多くと結ばれている。
アメリカ、アフリカなど大陸間のルートもある。
欧州内の格安航空会社便もあるが、一部の会社は発着空港が異なる。
- 空港:
ハンブルク国際空港 Flughafen Hamburg-Fuhlsbuettel(コード:HAM):
中心から北北西約9km
現在はターミナルが4つある。
ターミナル1:国内線と国際線
ターミナル2:国内線と国際線
ターミナル3:国内線と国際線
ターミナル4:国際線長距離便
ターミナルの未完成部分があるため、航空会社により利用ターミナルが変更されることがある。
http://www.ham.airport.de
(空港・市内のアクセス)
空港Flughafen 〜ハンブルク中央駅Hauptbahnhof間に近郊鉄道Sバーン#S1が運行されている。10分間隔で、25分
S1系統は中央駅から空港へ向かい場合には、行き先確認を怠らないようにする。途中で分岐して別の方向へ行き便もある。
同区間にはシャトルバスもある。
空港〜アルトナ駅間にもシャトルバスがある。約30分、10分間隔
バスののりばはターミナル1とターミナル4の前
タクシーのりばはターミナル1とターミナル4の前。
リムジン送迎を希望するなら、到着ロビー内のSTARS社で対応する。
メルセデス(Sクラス)により、目的地まで送迎してくれる。
ハンブルク・リューベック空港Hamburg-Lubeck airport(コード:LBC)
格安航空会社便が中心。
空港〜ハンブルク中央駅前とシャトルで1時間15分
- 鉄道:
ハンブルクには特急ICE/ICが停車する駅が5つある。
ハンブルク中央駅 Hauptbahnhof
アルトナ駅 Hamburg-Altona
ハールブルク駅 Hamburg Harburg
ダム トーア駅 Dammtor
ベルクドルフ駅 Hamburg-Bergedorf
ハンブルク国際会議場 Congress Centrum Hamburgはダムトーア駅前にある。
そのうち、ベルリン、フランクフルト、ケルンなどの主要都市を結ぶ多くの長距離列車はアルトナ駅Hamburg-Altonaを発着し、中央駅経由で各地を結ぶ。
フランクフルト空港駅Frankfurt a/M Flughafenからはフランクフルト中央駅Frankfurt a/M Hbf.経由の特急ICE直行便でほぼ1時間間隔。
ハンブルグ中央駅Hamburg Hbf.まで空港駅から3時間55分、中央駅から3時間40分。
アルトナ駅Hamburg-Altonaまではさらに5分。
近郊線は行き先によって始発駅が異なるが、いずれも中央駅は経由する。
各方面ともほぼ1時間間隔。
リューベック:約45分
キール:約1時間30分
ハノーファー:約1時間30分、
ブレーメン:約1時間30分。
交通機関 †
- 公共交通
バス、フェリー、Uバーン、Sバーンはハンブルク交通連盟HVVにより一元的に管理運営されているので、乗車券は共通。
乗車券はSバーン、Uバーン駅の改札口で購入。
バスは、運転手から購入できる。
Sバーンには1等車両があり、追加料金が必要。
数種類の1日乗車券が発行されている。
中心地方いくつかのゾーンに区分されている。
- ナーベライヒNahbereich(近郊):
おおよそザンクト・パウリSt.Pauliから中央駅までの間。
- グロースベライヒGrossbereich(広域):
中心部だけでなく、ブランケネーゼBlankeneseなどの郊外までを含む。
- ゲザムトベライヒGesamtbereich(ハンブルク州):
ハンブルク全域を含む。
旅行者向けには、ハンブルク・カード Hamburg-Card が発行されている。
市内のトラム、地下鉄、近郊電車、バスのほか、11の美術館や博物館が無料になる。
多くのホテルでも購入できる。
- 船:
シュターデStade行き
フェルデ観光船Forde Reederei Seetouristik
http://www.frs.de
ヘルゴラントHelgolandまで。
夏期は高速船もある。
- 定期観光バス:
市内の1時間30分コースは1時間間隔、
ロングコースは2時間30分、1日2便。
アルスター湖Aussenalster遊覧船:
アルスターシフファールトAlsterschiffahn(アルスター船運会社)のモーターボートが外アルスター湖畔の船着場の間を定期的に運航している。
内アルスター湖を約50分で巡る遊覧コースは30分間隔。
ハンブルク港めぐり遊覧船
約1時間で港湾内を巡る。季節により運行回数が異なるが、夏期は1時間間隔で、4〜6便
市街地 †
- 旧市街 Altstadt:
ニコライ運河Nikolaifleet、
ビネン港Binnenhafen(河川航行船と曳船専用になっている)、
税関運河Zollkanal
に囲まれた区域に広がっている。
中心となるのは、タイヒ通り Deichstrasseで、両側に17〜18世紀の古い商人の家が居酒屋になって立ち並んでいる。
ニコライ運河沿いに、倉庫が立ち並び、古いハンブルクの面影を漂わせている。
ビネン港沿いにニコライ運河をまたぐホーエ・ブリユッケHohe Brucke(高い橋)からの眺めもよい。
かつて商品の積みかえに使われていた切妻部分の滑車や、壁に残る大洪水の痕跡も残る。
アルテポスト −Alte Post(Poststrasse 11)は郵便局だった建物を大火後ショッピング・モールに改築したもの。
- アルスター・アルカーデ −Alsterarkaden
アルスター湖に面しているショッピング・ストリート。
ユンクフェルシュティークと市庁舎の間に位置している。
白いネッサンス式の渡り廊下は1843年に建築されたもの。
道端ではストリート・ミュージシャンが音楽を奏でている。
- 倉庫街 Speicherstadt
エルベ川に浮かぶ島々に、7階建ての赤レンガ倉庫建築が連なる。この集合倉庫
は、ダイヒトーアホールDeichtorhallenからバウムヴァルBaumwallまで続く世界で最長の倉庫街。
1871年にドイツ帝国が誕生し、ハンブルクの関税を免除して以来、世界中からの貿易船がここに集まり、ヨーロッパを代表する港町として栄えた。
倉庫の大多数は、現在博物館が8つ入っている。
倉庫街を眺めるのにはポッゲンミューレン橋Poggenmuhlenbrucke
からが一番いい。
- フィッシュマルクト Fishmarkt
毎週日曜の朝5時から9時半まで(冬期は7時から)ザンクト・パウリ桟橋一帯で開かれるマーケット。
1703年来の伝統がある魚市で、新鮮な魚だけでなくフルーツ、植物、ペット用の小動物、まで 並んでいる。
- ザンクト・パウリ Sankt Pauli
ナイトライフの中心街。
怪しげなバー&パブ、ディスコ&クラブ、売春宿やセックスショップなどが密集している。
特にレパーバーン通りは世界的に有名な歓楽街。
このあたりには女性と子供が立入禁止という通りもある。
市内の見どころ †
- アルスター湖Aussenalster:
中世の水車小屋のためにせき止めて作った人工湖で、外アルスター湖畔と内アルスター湖にわかれている。
遊覧船は内アルスター湖を巡るが、100mをこえる5本の教会の塔や市庁舎の鐘楼などが一望できる。
- 市庁舎Rathaus
ハンブルク州内閣および州議会の議事堂。
高さ112mの鐘楼がある
1897年に4000本の杭の上に建てられたネオ・ルネッサンス様式の砂岩建築。
と神聖ローマ帝国時代の皇帝の像20体が建物の正面に並んでいる。
1842年の大火災のあと設計し直された。
- シュロイセン橋 Schleusenbrucke
アルスター湖の水位を保つ水門の役目を兼ねている。
旧ハンブルクの運河網の特色を残すアルスター運河Alsterfleetをまたいでいる。
橋のたもとに、第1次世界大戦の死者たちに捧げられた高い記念石柱パルラッハの彫刻Bartach−Reliefが建っている。
- 聖ヤーコプ教会 St.Jakobikirche:
ゴシックのホール式教会で、14〜15世紀の宝物が数多く保管されている。
北ドイツで最大のバロック様式のオルガンがあり、バッハもかつてこのオルガンで演奏したことがあるという。
地下鉄U3 Moenckebergstrasse駅
Jacobikirchhof 22
- 聖カタリーナ教会 St.Katharinen:
14〜15世紀煉瓦造りのゴシック様式教会。
タマネギ形の屋根を持つバロックの塔がある。
- 聖ミヒャエル教会 St.Michaeliskirche:
17世紀の雰囲気を残す一角、オールド・ハンブルクにある。
北ドイツの代表的なバロック建築で、通称「ミヒェル」。市内と港のすばらしい眺めを360度見渡せる展望台に上れる。
ここでブラームスが洗礼を受けた。
毎日12時から無料のパイプオルガン演奏がある。
金曜の夜には少年合唱団とオーケストラによるコンサートが催される。
地下鉄S1,S3 Stadthausbruecke駅 U3 Roedingsmarkt駅
Krayenkamp 4c
- ブラームス博物館Johannes Brahms Museum
ハンブルクで生まれた作曲家ブラームスを称える博物館。
- 旧商工組合福祉住宅 Krameramtswohnungen
狭い路地の両側に17世紀頃のハンブルクの典型的は住宅様式がそのままに保存されている。商工組合の未亡人のため に建設されたもの。そのうちの一つが小さな博物館 Kramerwitwenwohnungとなっていて当時の人々の暮らしぶりを見せている。
地下鉄U3 Roedingsmarkt 駅、S1,S3 Stadthausbruecke駅
Krayenkamp 10,
- チリハウス Chile Haus
チリ硝石の輸入で財を成したヘンリー・スローマンの家、
船をイメージしてデザインされたユニークな建物。
地下鉄U1 Messberg駅 出口 Burchardplatz
- テレビ塔 Fernsehturm
271,5mのタワー。
エレベーターで最上階に行くと、ハンブルクの街の大パノラマが得られる。
回転レストランもある。
地下鉄U2 Messehallen駅
Lagerstrase 2,
- 聖ペトリ教会 St.Petrikirche
ハンブルクで一番古い教区教会。
1842年の大火事で焼けてしまったが、1844年から5年間かけて修復された。
中世のスタイルを生かしながら、当時主流だったモダン・ゴシック様式を巧みに取りいれたレンガ造りの建物はハンブルクの町並みにうまく調和している。
表玄関の左側に飾られているブロンズ製のライオンのドアノッカーは1342年のものでハンブルク市が保存する最古の芸術品である。
地下鉄U3 Rathaus駅
Speersort 10
- ハンブルク市立博物館 Hamburger Kunsthalle:
ドイツ最大の美術館の一つ。
特に19世紀のドイツ絵画に重点が置かれている。
- 美術工芸博物館 Musem fur Kunst und Gewerbe:
中世の彫像類と金銀細工、ルネサンス様式の家具、北ドイツ製の時計の数々、18世紀の磁器などが見どころ。
http://www.hamburger-kunsthalle.de
- ハンブルク歴史博物館 Museum fur Hamburgische Geschichte:
旧ハンブルク市街の模型、船の模型100以上のコレクション。
- 民族学博物館 Hamburgisches Museum fur Volkerkunde:
20世紀の初め、この港はオセアニアに向かう民族学調査隊の出発点であった。
- ハーゲンベック動物園 Hagenbecks Tierpark
私設の動物園。
トラなどの猛獣でも、深い堀で隔てられてはいるが、柵が無いことで世界的に有名。
2,000匹以上の動物が飼育されている。
- アーレンスブルク城 Ahrenaburger Schlos
1595年に建てられたルネサンス様式の華麗な城。
保存状態が大変良く、1930年頃までは私有だった。
地下鉄S4 Ahrenaburg駅から徒歩約15分。
シャンツェン地区&カロリーネン地区Schanzonvienel&Karolinenviertel~ †
ザンクト・パウリの北にある.
かつては反体制の若者たちのカルチャー発信地だったが、近年になって、再開発された。
なお,この地区にあるシュテルンシャンツェ公園Sternschanzenparkも、売人やジャンキーが徘徊しているので避けたほうがいい。
アルトナ地区&エーフェルゲンネ地区Altona&Ovelgonne †
エルベ川に沿って西寄りのこの地域は少し気取ったエリアだ。
評判のいいしゃれたディナーが並び、見る価値のある美術館や博物館もいくつかある。
スノッブな若手起業家がおおく住む地区でもある。、
近郊の見どころ †
- 強制収容所ノイエンガンメ記念館 Kz-Gedenkstatte Neuengamme
かつての収容所跡を見学できる。
また、ヒットラーの時代の記録が集められていて、人間が狂気にとりつかれた時代の資料を見ることができる。入場は無料。