プロバンス
アルル Arles †
- カエサルのガリア遠征以来、ローマ時代の植民都市として繁栄した都市。
- 円形闘技場や古代劇場、コンスタンティヌス共同浴場跡 Les Thermes de Constantin などのローマ遺跡が市街に点在するほか、アルル古代博物館 Musée de l'Arles Antique には発掘された出土品が展示される。
- また、1888年〜89年まで太陽の光を求めてこの地に滞在した画家ゴッホゆかりの地としても知られる。
- ゴッホはアルル滞在15か月の間に約300点もの作品を残した。
- ラマルティーヌ広場の『夜のカフェ』や『黄色い家』、ローヌ河岸の『ローヌ川の星月夜』、フォーラム広場の『夕方のカフェテラス』、ゴッホが耳を切り落とした時に治療を受けた『アルルの療養院の庭』など、彼が描いた建築物などは絵画のままに再現されている。
- また郊外の一帯にはゴッホの描いた風景がそのままに広がり、『アルルの跳ね橋』などゴッホが描いた建築物は移築・再現されている。
アクセス †
- 空路:
パリ・シャルル・ド・ゴール空港から、約1時間20分。
空港から市街までバスで約20分。
- 鉄道:
パリ・リヨン駅からTGVでアヴィニョンへ約2時間40分。
急行に乗り換え、約20分。
マルセイユからは急行で約40分。
見どころ †
- ゴッホの跳ね橋 Le Pont Van Gogh
ゴッホが描いた跳ね橋は戦争で破壊されてしまったが、絵をもとにしてアルルとフォス・シュル・メール港を結ぶ運河に再建されている。周囲にはのどかな田園風景が広がっている。
復元された跳ね橋を見るには、クレマンソーのバスターミナルから1番のバスでヴァン・ゴッホ橋下車。
- エスパス・ヴァン・ゴッホ Éspace Van Gogh
1889年にゴッホが療養生活を送った精神病院。
現在は総合文化センターとして使用され、内部には図書館やメディアラボなどがある。
ゴッホが『アルルの療養所の庭』で描いた中庭は、黄色く塗られた柱や花壇などが当時の姿に復元されている。
- 円形闘技場 Arènes
1世紀末頃に建てられたとされる巨大円形劇場。
中世には要塞として改造されたが19世紀になって闘技場として再建された。
2万人以上の観客を収容できる。
入口の塔の台座からは闘技場全体を見晴らせるだけでなく、アルル市街も一望できる。
現在でも闘牛の会場として使用されている。
開場:9:00〜18:30(季節により変動)
- サン・トロフィーム教会 Église St. Trophime
3世紀の初代アルル司教、サン・トロフィームの聖遺物を祀るため11世紀に建てられた教会。
建築史においても重要な教会で、北から伝わったロマネスク美術がプロヴァンス地方で花開いた典型とされる。
教会正面のポルタイユや、入口上部の彫刻装飾、北東と南西でロマネスク様式とゴシック様式に分かれる回廊など見どころが多い。
回廊の柱には「キリストの復活」や聖パウロの彫像などの彫刻装飾が見られる。
開場:9:00〜18:30(季節により変動)、祭日休み
- 古代劇場 Théâtre Antique
紀元前25年頃に建てられた大劇場跡。
5世紀には教会建築のため石材として切り出され、9世紀には要塞に改造されるなど次第に埋没された。
17世紀に再発見され19世紀に発掘された。
現在は2本の舞台の円柱を残すだけとなっている。
開場:9:00〜18:30(季節により変動)