ベルギー歴史・世界遺産
サントル運河の4つのボートリフトとその周辺 †
- 建造当初から現在に至るまで稼働中のものとしては世界でも唯一の4つの巨大なボート・リフトで、1888-1917年、ムーズ川とエスコー川のそれぞれのドックを連絡してドイツからフランスへの直通幹線を実現するために、その間(ラ・ルヴィエール〜ティウ間)に存在する67mの高低差を解消する手段として建造された。
- ヨーロッパ19世紀の運河建設・水工学発達のひとつの頂点を示す傑出した建造物であり、毎年4万人が訪れる。
- しかし最近すぐそばを平行する新運河に単独で全高低差を解消する超巨大なストレピ=ティウのボート・リフトが完成してからはその存続が危ぶまれていた。
- 98年の登録にはボート・リフトばかりでなく、運河上の橋梁、付属建築物などの関係施設をも含むラ・ルヴィエール、ル・ルーの敷地全体が対象となっており、このことで炭坑を主軸に工業化したベルギー・サントル地方の19世紀の産業風景がそのまま遺されることになった。