タルトゥ Tartu


概要

人口約105,000人、エストニアで2番目に人口の多い都市。
タリンの南東約180kmに位置する。
11世紀にキエフ大公ヤロスラフ1世が城を築き、河川交易の港として発展した。
13世紀にはリボニア騎士団の支配下に置かれたこのタルトゥは、バルト全体で2番目に古い町といわれている。1632年、スウェーデン王のグスタフ2世がここに大学を創立し、その後文教都市として栄えてきた。この国最初の大学の創設で、人々の精神的首都と言われている町となっていた。

1939年、独ソ不可侵条約のあとソ連に占領される。第二次世界大戦中、ソ連に対する独立戦争で街は破壊された。
戦後、郊外に作られたソ連軍の空軍基地のためにタルトゥは外国人立ち入り禁止の都市となった。1991年の独立以降は、旧市街地の再建が進んでいる。

この町出身の人に、ペーテル・ヴォルコンスキー Peeter Volkonskyがいる。 ロックミュージシャンで俳優、作家である。名門貴族の家系に生まれながらも、1980年代、パンクロックミュージシャンとして活動し、若者たちの独立運動を牽引したリジェンドとも称されている人物だ。
今での町を行き交う人々が声をかけてくる。
彼が叫ばなければ、ソ連からの独立回復はもっと遅れていただろうと人々は口をそろえて言う。
ペーテル・ヴォルコンスキー氏の活動の根底にみるもの、それはこの国最初の大学とともに街を育んできた学術、芸術、そして自由への精神によるものとされる。

「文化の揺りかご」とも呼ばれているこの町は、1869年に初めて「歌と踊りの祭典」(ユネスコ無形文化遺産)が開催された町でもある。

アクセス

鉄道

首都タリンから1日最大5便。所要時間2時間15分~3時間。

バス

1時間に数本運行されている。所要時間2時間~3時間。

見どころ

ラエコヤ広場 Raekoja plats

何世紀もの間、タルトゥの町の中心の広場である。今も広場ではクリスマスマーケットが開かれる。
毎年夏ここでハンザ同盟記念祭が行われる。
織物交易を記念して行われるハンザ同盟各国の市が立つ。
中世北ドイツと北欧を中心にバルト海沿岸都市のニシンや織物の交易を支配したハンザ同盟に加盟していた各国の承認が衣装に身に包み踊りを披露している。
100年の歴史のある祭りだ。
1998年には広場にキスをする学生の像とともに噴水が置かれ、町のシンボルとなっている。

タルトゥ大学 University of Tartu

スウェーデンの王グスタフ2世により1632年に創立されたエストニアで最初の大学として、町のシンボルにもなっている。
建物の地下にはその昔、講義中に居眠りすると2日間、軽率な発言をすると1日など、罰として学生を監禁していた学生牢がある。

タルトゥ大聖堂跡 Tartu Cathedral

13世紀から約150年かかって建造された建物。16世紀の宗教改革で廃墟と化した。
建設されたときに、魔物が邪魔をするということで、処女の人柱が捧げ造らてたという。
現在はタルトウ大学のとして使われている。
その建物の一部は改修されタルトゥ大学資料館として使用されている。

天使の橋と悪魔の橋 Angel's Bridge & Devil's Bridge

市庁舎横からロッスイ通りをトーメの丘に向けて歩いていった場所に架かる2つの古い橋。
「悪魔の橋」はロシアのロマノフ朝300周年を記念し1913年に建造された。高台を貫く道路をまたぐように作られている。
橋には「1613~1913年」の文字が刻まれている。
「天使の橋」は1838年に建造されたもので、伝説によるとこの天使の橋を最初に歩いて渡ると幸運が訪れると言われている。
毎年天使の橋に女性が、悪魔の橋に男性が集まるという歌の祭典が100年来続いている。

タルトゥ美術館(傾いた家)Tartu Art Museum(Leaning House)

ラエコヤ広場にはピサの塔とも呼ばれる「傾いた家」がある。1879年より長らくこの建物は薬局だった。現在はタルトゥ美術館として一般に公開されている。

聖ヤーニ教会 St John’s Church

1323年に建造されたバルト最古の教会です。約1000点のテラコッタの彫刻が残っている。

変わったレストラン(テレビで紹介)

レストラン:プスィロフ・ケルテル

丘をくりぬいたレストラン。
帝政ロシアからソ連時代まで、武器庫として使われいたという。
80年代に入ってレストランとして改築した。煉瓦でできた広々とした店内、ひんやりと涼しい。町で一番天井が高い建物でもある。
店のもう一つの特徴は、名前の書かれた陶器のビールジョッキである。
エストニアっ子の店の自慢料理
サーモンスープのパン仕込み
プスィロフケルデル・アラカルト(ビールのおつまみに最適)
骨付き豚のもも肉のロースト

郊 外

いずれも、公共交通機関が不便で、日帰りするのはリスクを伴う。タクシーかレンタカーまたは貸し切りの車で巡らないといけない。

ヴァリヤンディ Viljandi

セトマー Sotomaa

独特の文化が継承されてきた、エストニアの南東の端にある小さな町。セトの人々はフィンノ・ウゴル族の仲間ですが、エストニアの他の地域とは言葉の文化も大きく異なる。
ここは民謡の宝庫で、中でも「セトレーロ」と呼ばれる民謡で知られている。

オテパー Otepaa

森と湖に囲まれたオテパーは、「冬の首都」と称されるエストニア屈指のスキーリゾート。町外れには、その美しさで多くの芸術家が引きつけられ、作品にも取り上げられている「聖なる湖」がある。
(アクセス)
タルトゥからもタリンからバスが1日に1本(1時間前後)しか運行されていないので、公共交通機関では日帰りはできない。















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