プボル城 Pubol

概要

ダリが妻ガラにプレゼントした城
プボール Pubolはバルセロナから北へ120km、ジローナの東約20㎞にある小さな村、 ここに、画家のダリが妻ガラにプレゼントした中世の城があり、現在ガラの城 Castillo Gala Dalí de Pubolとして一般に公開されている。

ガラはロシア生まれのユダヤ人で魔性の女のとも言われた。1934年ガラは10歳年下のダリと結婚。当時無名のダリを世界的な画家にまで育て上げたのがガラであった。
だからダリにとってのガラは生涯の女神であった。
そんなガラのためにダリはお城をプレゼントしたいと思ってさがしていた。

1968年、当時住んでいたカダケスの近くのポルトリガットの自宅から遠くないプボルの村に荒れ果てた状態となっていた古城を見つけ、迷いもなく購入を決めた。
もともとは、1065年に建てられたゴシック-ルネサンス様式の城だが、屋根は崩れ落ち、 廃墟そのものだった。ダリは改築に1年ほどかけ、古い歴史を持つ建物の面影を残すほどにまで仕上げた。

ガラが「隠れ家」として使っていたが、ガラの生前、ダリはガラの「招待状」がなければ入れなかったという。
ガラは、おもに夏の間ここに一人で滞在していた。ガラはこの城では、若い芸術家たちと暮らしていたという。
1982年に亡くなったガラは、城の地下の部屋に埋葬された。
亡くなるまで、強烈な個性を持つガラは、奔放な生き方を貫き通した。

その後、ダリはガラの部屋に住んでいたが、1984年に火災を起こし、重症になったダリはプボル城を去ることとなった。
そして、プボル城は1996年から一般公開されることとなった。

内部は、家具調度品、壁画、タペストリー、庭園など、ダリのデザインやダリの作品が至る所に敷き詰められ、城全体がまさにダリの芸術の集大成みたいである。

2階は住居スペースで、ダリの作品があちこちに置かれている。
ホールにはダリが制作したガラの「玉座」が置かれている。
玉座には、ガラ Galaの頭文字「G」が刻まれている。
背もたれには、ダリが1974年に描いた絵が飾られている。

注目するのは、「青の寝室」と呼ばれるガラのベッドルーム。
カダケスのダリの家にはベッドが2つ並んでいるがここは1つだけ。
この青いベット以外に、赤いベッドが置いてある部屋がある。夫婦でありながら晩年のダリとガラは別居していてようだ。晩年の2人の微妙な関係が想像できる。

部屋の天井から黄色いイモテールのドライフラワーが吊り下げられている。
カダケスの「卵の家」にもあり、ガラもダリもこの花の香を好んでいたという。
地中海に面した地方に生える黄金色の小さな花を咲かせる植物である。

3階には、ガラが生前着ていたドレスが展示されている。

地下にガラの墓がある。
ダリはフイゲラスのダリ美術館の中で2人は別々に埋葬されている。

1階のガレージには
ダリが生涯愛用したアメ車キャデラックが駐車してある。
隣のオレンジ色の車には「DATSUN」(ダットサン)のエンブレム。現在の日産の車だ。
ダリは実際のところ運転が出来ずガラが代わって運転していたという。

裏の庭には、ダリが作った細い足の象などがある。

プボル城の開館は3月15日から12月31日まで、
月曜日は定休日。
http://www.dali-estate.org/

アクセス

バルセロナ・サンツ駅から電車でジローナ駅へ、約1時間。ほぼ30分間隔
駅前からタクシーでの往復がおすすめ。

駅前のバスターミナルからバスもある。約30分。
バス停から徒歩約20分。運転手に行き先を告げておくこと。

または、バルセロナ・サンツ駅からジローナ駅から14分先のフラサ Flaca 駅で下車。
南へ徒歩約1時間のハイキング。
駅前にタクシーがあればラッキー。

















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