サンティアゴ・デ・コンポステーラ Santiago de Compostela

ガリシア地方
マドリッドから613km、ビーゴから84km、ラ・コルーニャから72km
人口約10万人

概要

サンティアゴ・デ・コンポステーラフォト

キリスト12使徒の一人、聖ヤコブつまり聖人サンチャゴが眠る町。
聖ペトロが殉教したローマ、イエスが処刑されたエルサレムとともにキリスト3大聖地の一つ。

813年7月25日にレブレドン山の森の深みにある洞窟からキリストの12使徒の1人聖ヤコブ(スペインではサンティアゴ)の墓が発見されたという伝説に基づいてそこに聖堂(バジリカ)が作られた。
やがてまわりに町ができて、ヨーロッパ中から巡礼者がピレネーを越えて800km余りを歩いて通い始めるようになった。現在はその大半が列車やバスで巡礼の路をたどっており、年間50万人以上がここを訪れている。

町は10世紀にノルマン人とイスラム軍に破壊される歴史を持つが、アルフォンソ6世の時代に再建されて、1175年には対イスラム戦に大きな役割を演じるサンティアゴ騎士団がここで結成される。

遠い昔から、巡礼者たちはピレネー山脈を越え、スペイン北部を横断し、最後の難関セブレイロ峠を越え、800kmの巡礼の道を歩いてきた。そしてここが数カ月に及ぶ旅の終着点。

巡礼の道、その道程そのものが世界遺産に登録されている。
道しるべに従って町に入ると、入り組んだ迷路のような旧市街に入る。

この町もまた世界遺産、花崗岩で作られた石造りの町なみは世界屈指の美しさを誇る。
巡礼の道のゴールに次々に歩いてくる巡礼者たち、それはこの町で1000年以上にわたり延々と続いてきた光景。
服装や持ち物は変わっても、大聖堂に向かって歩く姿は変わりない。

巡礼者の最終地点であるこの町は雨の多い町として知られている。

アクセス

空路
欧州内はロンドン、ジュネーブ、チューリッヒから各1便。国内線はマドリッドから。

鉄道
マドリッド・チャマルティン駅から特急7時間、1日1便運行。ほかに夜行便がある。

空港

サンチャゴ・デ・コンポステーラ空港(SCQ)
市内から19km北東、バス20分

見どころ

市内はこぢんまりとしていて、徒歩で見て回ることができる範囲にあるが、見どころが多い。一般的なツアーなどではカテドラルの見学のみの半日が多い。

オブラドイロ広場(別名エスパーニャ広場)Plaza de Obradoiro

サンチャゴ大聖堂前の広場で、建設中の石切り場として使われていた。
4つの建物が広場を囲んでいるが、最も大きくそびえているのがロマネスク様式のカテドラル。威風堂々とした建物の大きさが広場の広さに合っていて美しさひときわとなる。
カテドラルを正面にして左手の建物プラテレス様式の装飾を施した入口を持つ王立施療院。現在はパラドールとして使われている。
カテドラル正面が市庁舎で、18世紀の新古典主義の建物。
カテドラルの右手になる建物は、サン・ヘロニモ学校 Cologio de San Geronimo で、17世紀に創設。玄関は5世紀のロマネスク様式。今はサンティアゴ大学の総長館となっている。

カテドラル Catedral

ランスをはじめヨーロッパ各地から信者が長い巡礼の道を歩いてたどりつくのがこのカテドラルだ。
最初は礼拝堂が建てられ、その後2つの前ロマネスク様式の教会が建造され、現在の大聖堂は1075年から建造がはじまった。
その後も増改築が繰り返され、現在の姿になった。
バロック装飾に覆われているものの、内部はロマネスク様式となっている。
堂内は3身廊のラテン十字形。奥行き97m、翼廊65m、中央の身廊の高さ23m。この教会のオブライド内の正面は1750年に建てられたスペイン・バロックすなわちチュリゲラ様式。左右の塔は高さ70mある。
ボタフベイロという大きな香炉が頭上高く揺らされている下で重い荷物を下ろし、長い旅を振り返る巡礼者たち、深い感動とともに、流れ出る涙が彼らの帆hを伝わっている。
巡礼者と認められるのは徒歩、自転車、馬の旅だけ。

カテドラルの見どころ

栄光の門
オブライドロから中に入ると、3つのアーチの栄光の門がある。
ここをくぐることが巡礼の路の最終目的地なのである。
両手を広げ、手のひらと脇腹と両足に傷を見せているイエス・キリストが巡礼者を迎える。
キリストの下にサンティアゴが座っている。その台座を支えている柱は「イエスの家系樹」とも「宇宙樹」ともいわれているが、その柱に巡礼者たちは5本の指を押し当てて敬虔な祈りを捧げている。
宇宙樹に沿って上昇する信者の祈りは聖母マリアを通じてサンティアゴと結びつき、その上のキリストと霊的に交わる仕掛けになっている。
この栄光の門には2千体の聖像が刻まれている。マテオという石工が20年の歳月を費やした。

主祭壇
17世紀に出来たケバケバしい装飾の施してある祭壇にはサンティアゴの像が飾られている。
祭壇右横の階段を上がっていくと、聖像(13世紀)の後ろから触れることができる。信者はマント部分に習慣に従って口付けをしている。地下礼拝堂のクリプタには19世紀に造られた銀の棺、その中の聖人サンチアゴの遺体が眠っているといわれる。

サンチアゴの眠る銀の棺Urna Srpulcral del Apostol Santiago
毎日12時に開かれる巡礼者のためのミサ、聖ヤコブの日7月25日が日曜日にあたる大祭のときは18時にも開催される。

プラテリーアスの門(銀細工の門)
祭壇右手の入口の扉、栄光の門より古いロマネスク様式。キリスト受難の図が彫り刻まれている。
この門を出ると4頭の馬の像の噴水がある銀細工(プラテリーアス)広場に出る。昔、銀細工師たちが住んでいて、店を開いていた。

近郊

ムーロス Muros

典型的なガリシアの漁村。古い風情のある街並はナショナル・モニュメントに指定されている。

フィニステレ Finisterre

フィニステレとは「地の果て」を意味する。
ムーロス、カルノタ、コルクビオンといった美しい漁村を経て最後にたどり着く。
透明な海で、灯台から眺める大西洋の景勝がいい。

















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