ショプロン Sopron


概要

オーストリアとの国境まで約6kmに位置する中世の小都市の町。
ブダペストから226km 
人口約5000人の静かな街だ。
ヨーロッパを南北に縦断する「琥珀街道」の要衝の地として栄えた歴史を持つ。
ハンガリーは建国以来、周辺諸国から次々と攻め込まれ国土は、ほとんどを支配され続けてきた。
その中で、ショプロンは、列強の侵略がなかった町として中世のハンガリー王国の歴史を今に伝えている。町には造物が数多く残されている。

またショプロンは、東西冷戦の終結の契機となった舞台。
ここは東西を分ける鉄のカーテンがあった。鉄のカーテンが最初に破られた地である。
1989年8月19日、西側に入れると知るや東欧諸国の脱出を決行する人たちが一斉に集まり、その数約600人。主に西ドイツへの亡命を求める東ドイツ市民が、この町からオーストリア国境を越えて西ドイツへ亡命を決行した。
国境に近い公園での政治集会のピクニックの日に解放された。
これをヨーロッパ・ピクニック計画と呼ばれた。この出来事がベルリンの壁の崩壊に繋がっていく。
shプロン郊外の「汎ヨーロッパ・ピクニック記念公園」には、1989年8月19日を記念したゲートのモニュメントが立っている。
残念ながら、公共交通ではアクセスできない。周辺道路は3.5トン以上の車が通行できない。中・大型バスではアクセスできない。車でのみ近くまで行ける。

アクセス

鉄道

ウィーン中央駅からドイチクロイツDeutschkreutz行きの快速列車(REX)で約1時間20分。1時間ごとに運行。

ブダペスト東駅からは、インターシティ(IC)で約2時間30分。1日7便運行、ほぼ2時間間隔。

市街地

鉄道駅から旧市街地の入口まで約500m、中央広場まで約1km。
旧市街地は楕円の形状をしており、ローマ遺跡の上に中世には城壁が築かれていたが、現在ではほとんど残っていない。要塞通りとしてレストランやショップなどの建物が周囲を囲んでいる。
旧市街は中央広場を中心に高さ61mの「火の見塔」、ゴシック様式の天井とバロック様式の装飾が美しいベネディクト派の山羊教会 Kecske templom がある。

見どころ

山羊教会 Kecske Templom(ベネディクト教会)

1280年にフランシスコ派の教会としてバロック様式で建てられたもの。
伝えられる話では、13世紀山羊が埋蔵金を掘り当てたところ、敬虔なキリスト教徒だった飼い主は、教会建設のために寄付をしたことに因んで、山羊教会になった後伝えられている。
1676年、ショプロンは大火に見舞われたが、教会は辛うじて全勝を免れ、貴族ライセル・ヘンリックによって再建された。
教会の入り口にライセル家の紋章が残されている。
聖堂の中には、1751年に造られたバロック様式の祭壇が設けられている。そこには聖母マリアがキリストによって天に昇る「マリアの被昇天」の絵が掲げられている。
説教代には、希望と愛情を象徴する黄金の像が刻まれている。
左側のステンドグラスの紋章は、ハンガリー、右はオーストリア・ハプスブルグ家の紋章となっている。
オーストリア帝国とに複雑に絡み合った関係性が湖の紋章に示されている。

火の見塔

高さ61mの塔はショプロンのシンボル。階段を上れば旧市街の街並みが見渡せる。
入り口の「忠誠の門」は、1921年の国民投票を記念してつくられた。塔の頂上には双頭の鷲の飾りがついている。

聖ジョルジュ教会 St. George

ゴシック様式の教会が、バロック様式に建て直された。
1674年まではプロテスタント派に属していたが、その後、イエズス会に属している。

シュトルノー邸 Storno-haz

国内で最も来館者数が多い歴史博物館で、シュトルノー家が収集した膨大な美術・骨董のコレクションが公開されている。後期ルネサンス様式のこの館は、ショプロンの中でも最も魅力的な建物のひとつとなっている。

近 郊

フェルトゥーラーコシュ Fertorakos

ショプロン市内から10kmに位置する。
洞窟状になった石切り場があり、エジプトの岩教会のようである。
高さ10mから12mの柱石には2千万年前の魚介類の化石が見られる。
850席収容の洞窟劇場として「ショプロンフェスティバル週間」に使われる。

バルフ Balf

ショプロン市内から南東へ約7kmにある人口900人の小さな村。
紀元前のローマ帝国時代からブドウの栽培が盛んだった。
ハンガリー国内には22のワインの産地が認定されているが、ここバルフ村にも優れたワイナリーがある。
代表するワイナリー
ヴェーニンガー・ワイナリーWeninger Piceszet
1977年創業、24haのブドウ畑。
メルロー、ケークフランコッシュの2種のブドウを植えられている。
タンニンを多く含み、味わいにも独特の渋みが感じs\られる。
フェルトゥー湖からの風とオーストリアからの風がミックスして適度な湿度と温度、そして土がスパイシーなワインを作る。
















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