トカイ Tokaj


概要

人口約4300人の小さな町。
ハンガリーワインの名産地

ハンガリーのワイン

中東欧のワイン製造は、歴史も潜在的な技術もありながら、旧ソビエト連邦への安価なワインの供給に専念し、発展が止まっていた。しかし近年では、生産性重視の製造法から品質に対する目を取り戻し、昔ながらの製法に立ち戻る動きも出てきている。
現在はハンガリーの22の生産地域を指定し、それぞれの優れたワインづくりが行われている。
詳しくは飲食材の「ハンガリーのワイン」項を参照。

近年では日本でもハンガリーやブルガリアのワインなどが手に入るようになっている。 その中でもハンガリーのワインは良質で知られ、とりわけブダペストから北東に約200kmのトカイ地方の貴腐ワインが有名で、「トカイ・アスー」とも呼ばれている。ルイ14世から「ワインの帝王、帝王のワイン」と讃えられた、このトカイ・アスーについて説明しておこう。

17世紀初頭、この地方の農民が戦乱で避難しているうちに収穫期が過ぎてカビが生えてしまったブドウを捨て切れずに醸造してみたところ、驚くほど甘美なワインが生まれた、という伝説がある。実際には16世紀中頃には製造されていたと見られる伝統的な製法である。

この地方で栽培されているのは主にフルミント、ハールシュレヴェリューという品種。これらはワイン用としてはかなり大粒で、貴腐化も早いため、ツヤのある干しブドウのように完熟していく。その貴腐ブドウから絞られたワインを果汁またはワインで薄めて発酵させたのが、トカイ・アスーである。ランクを表すのに「プットニョシュ」という数値を使う。
プットニョシュとは、1グンツの樽1杯(136リットル)の果汁(またはワイン)に対して、背負いカゴ(約25リットル)何杯分の貴腐ブドウを入れたかという単位で、3杯入れれば3プットニョシュとなる。















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